UNISOC T606のベンチマークスコアが判明。VS. UNISOC T700、T618、T610

UNISOC T606のベンチマークスコアが判明。VS. UNISOC T700、T618、T610

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Lenovo傘下のMotorola製moto e20が初搭載したUNISOC T606のベンチマークスコアが判明したので、UNISOC T700UNISOC T618UNISOC T610と比較します。

 

UNISOC T606の主な仕様はTSMC 12nm FinFETプロセス技術、CPUは2xArm Cortex-A75 1.61GHz+6xArm Cortex-A55 1.61GHzのオクタコア構成、GPUはArm Mali-G57 MP1 @650MHz、RAM規格はLPDDR4X(1600MHz)となっています。

 

CPUの周波数はUNISOC T610よりも低く設定され、GPUは1世代向上してMali-G52からMali-G57へ変更されていますが、コア数が少なくなった上に周波数も低めに設定されています。Armの発表ではG52からG57で1.3倍の性能向上が謳われているため、2コアのG52の方が高い性能を発揮するでしょう。

 

総合するとUNISOC T606は5Gに非対応なエントリー向けの製品で、それを体現するように初搭載製品のmoto e20はAndroid 11 Go Editionを搭載しています。日本市場でのUNISOC T606搭載製品の販売は、可能性としてはかなり低いと考えています。

 

UNISOC T606のAnTuTu Benchmark v9スコアは、CPU性能は51,866点、GPU性能(Lite)が21,582点、MEM性能が33,817点、UX性能が48,548点で総合性能は155,813点となりました。GPU性能はRAM 6GB未満の製品で計測されたのでLite版でのスコアです。

 

CPU性能に着目すると1.61GHz+1.61GHzのT606は、2.0GHz+2.0GHzのT618、1.82GHz+1.82GHzのT700とT610よりも低い数値が算出されています。Cortex-A75を採用しているのですべての操作で不満を感じることはなさそうですが、我慢するべき瞬間は多々あると思います。

 

GPU性能(Lite)はMali-G57を採用していますが1コアだけなので、Mali-G52 MP2 @850MHz/614.4MHzよりも低い数値が算出されました。この数値だけを見るとすべてのゲームでカクつきが見られると思いましたが、YouTubeに投稿されている動画を見るとPUBG Mobileや原神はそれなりにプレイできていましたので、設定などで“我慢”する必要はありますがある程度は問題ないと思います。

 

MEM性能でT618が非常に数値が高いのは、RAM 4GB+内蔵ストレージ 128GBモデルを採用しているためです。この他の製品は2GB+32GBや3GB+64GBなどです。

 

UNISOC T606のGeekbench 5の性能は、シングルコア性能は273点、マルチコア性能は707点となりました。マルチコア性能で1,000点を超えないのは現在では非常に珍しいです。

 

シングルコア性能では2.0GHzのT618、1.82GHzのT700、1.82GHzのT610、1.61GHzのT606の順番になっており、周波数通りの性能が正しく発揮されています。

 

マルチコア性能も同様に周波数通りのスコアが算出されており、前述しましたがT606は1,000点を超えませんでした。これは日本市場でもいくつか搭載製品がありますが、あまり評判がよろしくないSnapdragon 662よりも低い数値となっており、正しく性能を理解していない人が購入すると不満だらけになると考えています。