中国のvivoは2026年8月13日、新製品として準備中のiQOO Neo11 Ultraに新SoCのDimensity 9500Mを搭載することを発表しました。ただ、Dimensity 9500Mを開発したMediaTekは記事執筆時点の8月17日現在、微博や公式サイトでDimensity 9500Mの存在は明らかにしていません。そのため、現時点で判明している部分のみをまとめます。
| 名称 | Dimensity 9500 | Dimensity 9500M | Dimensity 9500s |
| CPU | 1x C1-Ultra
3x C1-Premium 4x C1-Pro (L3 Cache: 16MB) |
1x C1-Ultra
3x C1-Premium 4x C1-Pro (L3 Cache: 16MB) |
1x Cortex-X925
3x Cortex-X4 4x Cortex-A720 (L3 Cache: 12MB) |
| 識別子 | 65_3468
65_3472 65_3467 |
65_3468
65_3472 65_3467 |
65_3461
65_3458 65_3457 |
| リビジョン | r1p0
r1p0 r1p1 / r1p0 |
r1p0
r1p0 r1p0 |
r0p1
r0p1 r0p1 |
| 動作周波数 | 4.21GHz
3.50GHz 2.70GHz |
4.21GHz
3.50GHz 2.70GHz |
3.73GHz
3.30GHz 2.40GHz |
| GPU | Mali G1-Ultra MC12 r0p1 | Mali G1-Ultra MC11 r0p1 | Immortalis-G925 MC12 r0p1
Immortalis-G925 MC11 r0p1 |
| 動作周波数 | 1716MHz | 1716MHz | 1612MHz |
| NPU/DSP | NPU 990 | MediaTek NPU | |
| カメラ | Imagiq 1190 ISP
3億2000万画素 |
Triple 18-bit Imagiq ISP
3億2000万画素 or 1億800万画素(ZSL) or 3x3600万画素(ZSL) |
|
| リフレッシュレート | 180Hz (WQHD+) | 180Hz (WQHD+) | |
| エンコード/デコード | Encode (1): 8K@60fps 8-bit H.265
Encode (2): 8K@30fps 10-bit H.265, H.264 Decode: 8K@60fps 10-bit H.265, H.264, VP9, AV1 |
Encode (1): 8K@60fps 8-bit H.265
Encode (2): 8K@30fps 10-bit H.265, H.264 Decode: 8K@60fps 10-bit H.265, H.264, VP9, AV1 |
|
| RAM | 4x16-bit LPDDR5X (10667Mbps)
(System Level Cache: 10MB) |
4x16-bit LPDDR5X (10667Mbps)
(System Level Cache: 10MB) |
|
| ストレージ | UFS 4.1 (4-Lane) | UFS 4 + MCQ | |
| USB | ? | ? | |
| Wi-Fi | Wi-Fi 7 (11be)
(7.3Gbps) |
Wi-Fi 7 (11be)
(6.5Gbps) |
|
| Bluetooth | Bluetooth 6.0 | Bluetooth 5.4 | |
| 位置情報 | GPS, BeiDou, GLONASS, Galileo, QZSS, NavIC
(GNSS: L1 / L5) |
GPS, BeiDou, GLONASS, Galileo, QZSS, NavIC
(GNSS: L1 / L5) |
|
| 通信 | 統合: 5G Modem (Release-17)
Sub-6GHz (DL: 7.4Gbps) |
統合: 5G Modem (Release-17)
Sub-6GHz (DL: 7Gbps) |
|
| 充電規格 | - | - | |
| 製造プロセス | TSMC 3nm N3P | TSMC 3nm N3E | |
| 型番 | MT6993 | MT6993M | MT6991E (MC12)
MT6991S (MC11) |
| 公式サイト | MediaTek | ? | MediaTek |
新たに登場したDimensity 9500Mの主な仕様は、製造プロセスがTSMC 3nm N3P、CPUが最大4.21GHzで動作するC1-Ultraと最大3.50GHzで動作するC1-Premiumと最大2.70GHzで動作するC1-Proを1+3+4構成で採用、GPUは最大1716MHzで動作するMali G1-Ultra MC11、RAM規格はLPDDR5X、内蔵ストレージ規格はUFS 4.1、モバイルデータ通信は5Gに対応します。
新登場のDimensity 9500Mは、vivo X300シリーズやOPPO Find X9シリーズが搭載しているDimensity 9500のGPUが削減されたモデルとなっています。具体的には通常版はMali G1-Ultra MC12ですが、Dimensity 9500MではMali G1-Ultra MC11になっており、1基削減されています。
当然ですが1基削減されているので、通常版のDimensity 9500より性能が低くなります。ただ、削減されたのが1基だけなのが功を奏して通常版の9割 (約91.7%)近い性能を発揮することが可能なので、影響はほとんどないと言っていいでしょう。この新SoCの登場によって、Dimensity 9500に近い性能を発揮する性能を少し安く購入できるようになるので選択肢が増えます。
実は、MediaTekと同様に競合他社のQualcommもGPUを削減したSnapdragon 8 Elite Gen 5 V Seriesを発表しており、最上位SoCのGPUを削減したモデルを新たに展開するのが業界の流れとなっています。これはAI需要の高まりによって発生したメモリ不足が関係している可能性が高く、様々な企業が薄利多売のミドルレンジやエントリーではなく1台で儲けが期待できるフラッグシップに注力しモデルを複数展開しようとした結果、フラッグシップ向けSoCの種類が増えたと考えています。
この流れはQualcommやMediaTekにとっては嫌な流れではなく、手放しではないものの喜んでいる可能性が高いです。製品を製造するとほぼ確実に規格不適合品が発生しますが、適合品のみを市場に展開すると不適合品は負債を抱えた電子ゴミとなってしまいます。ただ、今の流れはその規格不適合品を安い価格ではありますが市場に投入できるので、非常に高価なウェハ代を補填することが可能になり、不要な負債を抱えなくて済むようになります。そういったことから、この流れを喜んでいるのではないでしょうか。
Dimensity 9500Mを初搭載するのは、2026年8月18日に中国で発表予定のiQOO Neo11 Ultraです。この製品が日本市場に展開されることはほぼ確実に無いですが、新しく登場したDimensity 9500Mの存在を知っておいて損をすることはないので、是非この記事を読んで覚えておいてもらえるとうれしいです。




