MediaTek Dimensity 800Uを発表、5G対応ミドルレンジ製品を拡充

2020年8月18日、MediaTekは5G通信に対応したDimensityシリーズに属する新製品としてMediaTek Dimensity 800Uを発表しました。MediaTek DimensityシリーズにはDimensity 1000シリーズ、Dimensity 800シリーズ、Dimensity 700シリーズがありますが、今回発表されたDimensity 800UはDimensity 800シリーズに属します。

MediaTek Dimensity 800Uのスペックは、台湾TSMC製7nm FinFET製造プロセス、CPUは2xARM Cortex-A76(2.4GHz)+6xARM Cortex-A55(2.0GHz)、GPUはARM Mali-G57 MC3 @周波数不明(追記: Kenel Sourceから950MHzであることが判明)、ISPはシングルカメラは6400万画素でデュアルカメラ構成では2000万画素+1600万画素、ディスプレイは最大2520x1080のFHD+環境で120Hzのリフレッシュレートに対応、RAMは最大12GBのLPDDR4X、内蔵ストレージはUFS 2.2、5G通信対応モデムを内蔵しSub-6GHz帯のNSA/SAのデュアルモードに対応した製品となっています。

Dimensity 800UはDimensity 800シリーズとしてはCPUは初めて2+6のオクタコア構成を採用し、GPUはARM Mali-G57 MC3と少ないコア数、ISPも8000万画素ではなく6400万画素対応、RAMは最大12GB対応とDimensity 800シリーズ製品の中では1番性能が低い製品となる見込みです。そして、Dimensity 800UはDimensity 800シリーズに属するのでDimensity 800やDimensity 820と比較をしていますが、どちらかというとDimensity 720のスペックアップモデルとなっています。Dimensity 720のスペックは、CPUは2xA76(2.0GHz)+6xA55(2.0GHz)のオクタコア構成、GPUはMali-G57 MC3 @730MHz、ISPはシングルカメラは6400万画素でデュアルカメラ構成では2000万画素+1600万画素となっており、Dimensity 720のスペックアップモデルと認識しても間違いなさそうです。ただ、Dimensity 800UとDimensity 720の大きな違いとして対応しているリフレッシュレートで、Dimensity 800Uは最大120Hzになっている一方でDimensity 720は最大90Hzとなっています。更に、MediaTekによるとDimensity 800UはDimensity 720と比較してCPU性能は11%、GPU性能は28%向上していると謳っています。

中国の認証機関のMIIT(中華人民共和国工業情報化部)に表示されているCPUの最大周波数が2.4GHzの場合はQualcomm Snapdragon 765G 5Gのみとなっていましたが、今回MediaTek Dimensity 800Uの発表によってSnapdragon 765G 5GとDimensity 800Uの双方を考慮する必要があります。

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