HUAWEI Kirin 820Eを発表、HUAWEI nova 7 SE 5G 楽活版が初搭載

HUAWEI Kirin 820Eを発表、HUAWEI nova 7 SE 5G 楽活版が初搭載

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HUAWEIは新製品としてHUAWEI nova 7 SE 5G 楽活版(lehuoban)(CDL-AN50)を発表し、この製品にはHUAWEI Kirin 820E(麒麟 820E)が初搭載されています。大々的にKirin 820Eを発表したと表現されていませんが新たなSoCが誕生・発表されたため紹介します。

 

名称 Kirin 820E Kirin 820 Kirin 810
CPU 3xA76* + 3xA55 1xA76* + 3xA76* + 4xA55 2xA76*  + 6xA55
周波数 2.22GHz + 1.84GHz 2.36GHz + 2.22GHz + 1.84GHz 2.27GHz + 1.88GHz
GPU Mali-G57 MP6

GPU Turbo

Kirin Gaming+ 2.0

Mali-G57 MP6

GPU Turbo

Kirin Gaming+ 2.0

Mali-G52 MP6

GPU Turbo

Kirin Gaming+

周波数 804MHz 820MHz
NPU/DSP - Da Vinci

1xAscent D110 Lite

HiAI 2.0

Da Vinci

1xAscend D100 Lite

カメラ Kirin ISP5.0

BM3D

Kirin ISP5.0

BM3D

Kirin ISP4.0
リフレッシュレート
エンコード/デコード
RAM LPDDR4X@2133MHz LPDDR4X@2133MHz LPDDR4X@2133MHz
ストレージ UFS 2.1 UFS 2.1 UFS 2.1
Wi-Fi Wi-Fi 5 Wi-Fi 5 Wi-Fi 5
Bluetooth Bluetooth 5.1 Bluetooth 5.1 Bluetooth 5.0
位置情報 GPS, A-GPS, Glonass, BeiDou, Galileo, QZSS GPS, A-GPS, Glonass, BeiDou, Galileo, QZSS GPS, A-GPS. Glonass, BeiDou
通信 内蔵: 5G Modem

Sub-6GHz

内蔵: 5G Modem

Sub-6GHz

内蔵: 4G Modem

LTE Cat.12/13(600Mbps/150Mbps)

製造プロセス TSMC 7nm TSMC 7nm TSMC 7nm
内部コード

Kirin 820からKirin 820Eへの変更点はCPUの構成とNPUの無効化が挙げられます。HUAWEIは2020年の製品としてKirin 9000Kirin 9000Eを発表しており、“E”が付与されているKirin 9000EはKirin 9000と比較していくつか性能が劣っているため“E”はEntry(エントリー)を表していると考えられ、その法則のもとにKirin 820EはKirin 820からいくつか性能が劣っていることがわかります。

 

CPUは今現在としては非常に珍しい6コア(ヘキサコア)構成を採用し、3xARM Cortex-A76* 2.22GHz+3xARM Cortex-A55 1.84GHzとなっています。Kirin 820との変更点はbigコアとなるARM Cortex-A76* 2.36GHzが削除、littleコアとなるARM Cortex-A55 1.84GHzから1コア削除されています。

 

GPUはARM Mali-G57 MP6を採用し、これはKirin 820と変更はありません。Kirin SoCにおける“E”が付与されている製品はKirin 9000EとKirin 990Eがありますが、いずれのベースモデルとなるKirin 9000とKirin 990/Kirin 990 5GからGPUの周波数は変更されていませんので、804MHzである可能性は高いと考えています。

 

NPUはKirin 820はDa Vinciアーキテクチャで構成されたAscend D110 Liteを搭載していますが、Kirin 820Eは非搭載。たまたま記載されていない可能性を考慮する必要がありますが、Kirin 820を搭載したHUAWEI nova 7 5G SEには「華為自研 NPU」の記載があるのに対しKirin 820Eを搭載したHUAWEI nova 7 SE 5G 楽活版にはその記載がないことを考えると、無効化されている(しざるを得ない)のが有力だと考えています。

 

Kirin 820EはKirin 820の「出来栄えの悪い製品」を活用したもので、これはMediaTek Dimensity 1000シリーズにおけるDimensity 1000+とDimensity 1000Lと同じ行動ですが、過去にHUAWEIは「出来栄えの悪い製品」を活用することはなかったので、その様な製品を活用しないと製品(スマートフォンやタブレット)の開発ができないほどかなり苦境に立たされているのかもしれません。

 

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