本日発表されたミドルレンジモデル向けプラットフォームのSnapdragon 730とSnapdragon 730GのAnTuTuベンチマークスコアをAnTuTuが先行公開しました。Snapdragon 730とSnapdragon 730GはQualcomm製リファレンスモデルで計測されており、商用デバイスに搭載される頃には少しだけスコアの増減があります。
比較対象としてSnapdragon 710を搭載したXiaomi Mi 8 SE、Snapdragon 712を搭載したXiaomi Mi 9 SEを加えています。
より最新の比較はこちらを参照下さい。AnTuTu Benchmark v8、Geekbenc v5で比較を行っています。
スペック表はこのようになります。CPUクロック数はどちらのモデルも同じく2.2GHz+1.8GHzですが、AnTuTuによりますと計測に使用されたデバイスではSnapdragon 730は2.2GHz+1.8GHzでSnapdragon 730Gは2.4GHz+1.8GHzになっていたようです。しかし、Qualcommの発表ではどちらも同じであるためオーバークロック(OC)されていた可能性が考えられます。
QualcommはGPUクロック数を明らかにしていませんが、カーネルソース内に記載されている数値によりますとSnapdragon 730が650MHz、Snapdragon 730Gが700MHzに設定されています。Snapdragon 730GはベースモデルのSnapdragon 730からGPUのクロック数が増加し、ゲーミングデバイス向けに最適化されています。
製造プロセスは更に微細化して8nm FinFET(いずれもSamsung製)を採用し、Samsung Exynos 9 Series 9820と同じです。ちなみにSnapdragon 855やHiSilicon Kirin 980は7nm FinFET製造プロセスです。
AnTuTuベンチマークではCPU性能、GPU性能、UX性能、MEM性能を同時に計測することができるアプリです。スコアはSnapdragon 730G、Snapdragon 730、Snapdragon 712、Snapdragon 710の順番になり、Snapdragon 730Gは総合性能ではSnapdragon 835やKirin 970よりも性能が高く、2年前のフラッグシップモデル向けSoCをミドルハイモデル向けSoCが上回るといった現象が発生しています。
CPU性能とGPU性能に注目します。
CPU性能ではQualcommはSnapdragon 730とSnapdragon 730Gの最大クロック数を2.2GHzと記していますが、スコアを見ると4,000点以上の差が生まれていることがわかります。製造プロセスも同じなのにCPU性能だけがここまで差が出るということはほぼありえなく、AnTuTuが計測した通り2.4GHzまでクロック数が上がっていた可能性があります。これが実際の製品ではどうであったかが少し重要になり、現時点では少し不正確な数値が算出されています。
GPU性能は大台となる6万点を突破。ちなみに総合性能では同等性能だったSnapdragon 835は約83,000点なので大きな差があり、同じくKirin 970も約78,000点なので、GPU性能ではフラッグシップモデルを上回るのは難しいようです。とは言えこの6万はミドルレンジモデル向けとしては初の大台を突破していますので、ゲームをするのであればこれを買う以外の選択肢はありません。
Snapdragon 730とSnapdragon 730Gで購入を迷う場合はゲームをするか否かで悩むべきです。もちろん価格も重要な選択肢ですが、今回の両プラットフォームは通常版とゲーミング版として開発されているので、自身が普段どの様にスマートフォンを利用しているかが特に重要です。PUBGやAsphalt 9: LegendsなどのGPUに負荷をかけるゲームを良くプレイしている場合は、価格関係なくSnapdragon 730Gを購入する方が満足できると考えています。