Unisoc Tiger T310のベンチマークスコアが判明。クアッドコア構成で10万点超えを達成

中国のUnisoc(紫光展鋭)が先日発表したクアッドコアCPUを搭載したUnisoc Tiger T310(虎賁 T310)のAnTuTuベンチマークとGeekbenchでの性能が判明しました。Tiger T310はクラスターアーキテクチャのARM DynamIQを業界で初採用したSoCです。

UnisocはSpreadtrumとRDAの合併により生まれた企業で、主にAndroid Go Edition採用機向けのエントリーモデルのSoCを開発していましたが、2019年はミドルレンジモデルのSoCを開発しています。

 

主要なクアッドコアCPUを採用したSoCとの比較です。クアッドコア環境においてbigコアにCortex-A7xシリーズを使うのは業界初に加えて、A55を使うのも初です。比較表を作っておいて言うのもあれですが、Tiger T310はクアッドコア環境において比較対象が存在しないSoCです。オクタコア構成ではCortex-A7xシリーズを使用している物が多いので、bigコアにCortex-A7xシリーズを採用しているミドルレンジSoCが比較対象になるでしょう。

GPUはImagination Technologies製PowerVR GE8世代であることは明らかになっていますが、何が採用されているのか不明です。今の所Imagination TechnologiesはGE8430、GE8340、GE8325、GE8322、GE8320を発表していますが、GE8430とGE8340ミドルハイモデル向けに発表されているのでGE8325、GE8322、GE8320のいずれかが搭載されているでしょう。

製造プロセスは台湾TSMC製12nm FinFETを採用、LTEカテゴリーは不明ですがFDD-LTE/TD-LTE/W-CDMA/TD-SCDMA/CDMA/GSMに対応し、中国における3大キャリアの中国移動と中国聯通、中国電信の通信帯域に全て対応していると発表しています。

 

Tiger T310のAnTuTuベンチマークスコアは10万点を超えており、他のSoCは全く歯が立っていません。A75とA55を採用したことでCPU性能が突出している一方でGPU性能はQualcomm Snapdragon 429よりも低く、バランスを考えるといまいちなのかもしれません。

快適性を表すUX性能では36,000点になっており、今現在快適な操作ができる基準となっている点数が40,000点なので問題なくあらゆる操作を行えるでしょう。

 

主要なオクタコアCPUを採用したSoCとの比較です。A75を採用しているのはMediaTek Helio P90が存在していますが今現在搭載機が存在しないこと、AnTuTuベンチマークスコアが16万点を超えているので大きな差があるため表にはしていません。今の所A73を採用したミドルレンジが主流で、Tiger T310がいかに珍しいものであるか理解できたかと思います。

 

総合性能ではオクタコアSoCと比較するとやはり差は出ていますが、Tiger T310がクアッドコアSoCであることを考えると親しいスコアが出ている事自体に驚きを隠せません。そして、CPU性能はクアッドコアSoCではダントツのスコアが出ていましたが、コア数が異なっているのでどうしても差が生まれています。ただ、Samsung Exynos 7904は約47,000点でSnapdragon 632は約52,000点なのでCPU性能が高いということは間違いのない認識です。

一方でGPU性能は極端に低く、エントリーモデルレベルの性能となっています。総合スコアで見ると10万点を超えているのでオクタコアSoCのミドルレンジモデルと同等ではないかと考えてしまいがちですが、細かな性能を見ると違うところがあるとわかります。

アニメーションを考慮しない快適性を表すUX性能はHiSilicon Kirin 710と同等であると算出されており、3D処理をふんだんに使用するゲームをしないのであれば満足の行く使用が可能です。

 

CPU性能を計測するのに長けているGeekbench v4での計測です。シングルコア性能は2.0GHzのA75コアを採用しているので2.2GHzのA73コアを採用しているKirin 710よりも高い性能が発揮されています。マルチコア性能ではクアッドコア構成ということもあってSnapdragon 429よりも高い性能が発揮できている一方、オクタコア構成のSoCには大きな差があります。様々なアプリを開いておくといった使い方を基本としている人は動作が緩慢になる可能性があります。

 

Tiger T310の存在はミドルレンジ市場を大きく覆すSoCが誕生したと言っても過言ではないでしょう。クアッドコアSoCにおいては現状最強の性能を発揮していることは明らかで、オクタコアSoCでも一部性能では優位に立っています。

更にUnisocはAI性能ではSnapdragon 855よりも高く、CPU性能はSnapdragon 710やSnapdragon 835よりも高いオクタコア構成のSoCを開発していることが明らかになっています。ミドルレンジ市場はQualcommやMediaTek、SamsungだけではなくUnisocも参加する状態になりつつあり、競争の激化は避けられないでしょう。

 

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