Qualcommが10月に発表したミドルハイモデル向けプラットフォーム「Qualcomm Snapdragon 675 Mobile Platform」と思われるSoCがGeekbenchに姿を現しました。
Snapdragon 675と思われるものは、名称はQUALCOMM talos for arm64、Android 9 Pie、RAM 4GBで計測されています。“talos”はコードネームで、ギリシャ神話のタロスに由来していると考えています。スコアは2回計測されており、1回目はシングルコア性能が2,267点でマルチコア性能が6,103点、2回目はシングルコア性能が2,257点でマルチコア性能が5,927点です。
Snapdragon 675なのかと思っているのはGeekbenchに記載されるIdentifierがSnapdragon 710やSnapdragon 670と異なっているためです。これらは全てクロック数が1.71GHzで同じですが、Identifierが以下のように異なっています。
SDM660 | ARM implementer 81 architecture 8 variant 10 part 2048 revision 2 |
SDM670 | ARM implementer 81 architecture 8 variant 6 part 2050 revision 13 |
SDM675(?) | ARM implementer 81 architecture 8 variant 13 part 2052 revision 14 |
SDM710 | ARM implementer 81 architecture 8 variant 6 part 2050 revision 13 |
SDM670はSDM710のCPUはQualcomm Kryo 360(A75+A55)で同じなのでIdentifierは同じですが、SDM675はKryo 460(A76+A55)で異なるためこの項目の数値が変動します。特に注目すべき点はpartの後ろの数字でSDM670とSDM710から“2”上がっています。実はQualcomm製プラットフォームには、Snapdragon 835の時はpart 2048でSnapdragon 845はpart 2050という数値が“2”上がる法則があります。つまり、今回計測されたtalosはSnapdragon 670とSnapdragon 710の後継機にあたることになります。
今回計測されたスコアを簡単に比較してみます。Snapdragon 710はLenovo Z5 Pro、Snapdragon 670はOPPO R17、Snapdragon 660はBlackBerry KEY2のスコアを採用しています。
シングルコア性能は2,200点を超えています。このスコアはSnapdragon 835よりも高く、一部のSnapdragon 845搭載機と同程度です。マルチコア性能はtalos1のみ6,000点を超え、このスコアはSnapdragon 835程度となっています。つまりこのtalosはSnapdragon 835と同程度のCPU性能を持っていることになります。
このtalosがSnapdragon 675だと仮定するとSnapdragon 710からシングルコア性能は22%のマルチコア性能は2%の性能アップ、Snapdragon 670からシングルコア性能は32%のマルチコア性能は4%の性能アップをしています。後継機としてふさわしいスコアが出ているのではないでしょうか。
ちなみにSnapdragon 675はXiaomiが初採用するようで、2019年Q1(1月-3月)に発表・販売される予定です。Qualcommはスマートフォン向けプラットフォームを4桁にするという噂が流れており、Snapdragon 845の後継機のSnapdragon 8150が12月に発表予定なので実質的にSnapdragon 675が最後の3桁プラットフォームになります。