UNISOC T740(旧T7510)はUNISOC T710とUNISOC V510を組み合わせた製品ですが、実は「UNISOC T740=UNISOC T710」ではありません。「何故そうなっているのか」という説明はできませんが「どこか異なっているか」の説明はできるので共有したいと思います。
まず最初にUNISOC T710のスペックですが、CPUは4xA75 2.0GHz+4xA55 1.8GHzのオクタコア構成、GPUはIMG GM 9446 @800MHz、通信モデムを内蔵していないため単体では4G通信や3G通信に対応していません。そのため、5G通信や4G通信に対応するためにUNISOC V510と組み合わせると製品名がUNISOC T740に変更されます。
そして、UNISOC T740のスペックは、CPUは4xA75 1.8GHz+4xA55 1.8GHzのオクタコア構成、GPUはIMG GM 9446 @800MHz、通信モデムにUNISOC V510を採用し5G通信に対応しています。
「あれ?」と思った人がいれば嬉しいですが、UNISOC T710からCPUの周波数が2.0GHz+1.8GHzから1.8GHz+1.8GHzへ変更されています。
上の画像はUNISOCに公開されているスペック表を抜粋したものです。“CPU最大主頻”に注目すると、UNISOC T740は1.8GHzなのに対してUNISOC T710は2.0GHzとなっており、公式が周波数が異なることを認めています。
また、Geekbenchの開発者コードを利用して詳しく見ますが、CPUが4+4構成であっても2+6構成であっても同じ周波数の場合は全て同じCPU IPを採用していると認識する弱点があります。
これを踏まえると、2.0GHz+1.82GHzのUNISOC T310は1+3構成と認識されますが、UNISOC T740は1.82GHzの8構成と認識されており、2.0GHz+1.8GHzではなく1.8GHz+1.8GHzで間違いないでしょう。
この“ややこしい”仕様はいくつかわかっていない企業があるようで、中国電信の公式サイトでは最大2000MHz、UNISOC T740を搭載したAIS RUIO R1 5G SAを販売しているタイMNOのAISでは1.8GHz+2GHz(2.0GHz+1.8GHz)と記載されています。
同様の製品としてSnapdragon 865 5Gがあり、通信モデムを内蔵していないのでSnapdragon X55 5G Modemを組み合わせることで5G通信や4G通信に対応しますがCPUの周波数に変更はありません。そのため、UNISOC T710とUNISOC T740が異例中の異例です。