過去に姿を表したMeizu M5Xの正体に迫る、開発は行っていたのか行っていなかったのか

過去に姿を表したMeizu M5Xの正体に迫る、開発は行っていたのか行っていなかったのか

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2017年8月にSnapdragon 650を搭載したMeizu M5XがGeekbench v4に姿を表しReaMEIZUは10月にその機種を捕捉し記事を公開しましたが、2020年11月現在Meizu M5Xと呼ばれる製品やSnapdragon 650を搭載した製品は発表されていません。当時は私の知識不足によってGeekbench v4の計測結果だけを見ることしか出来ませんでしたが、今の私はより詳しい計測結果を見ることが出来るようになっているので、この発表されなかったMeizu M5Xの招待を突き止めようと思います。

 

2017年当時Meizu M5Xが大きな注目を集めることになった要因として、QualcommによるMeizuへの訴訟が和解によって解決しその後Qualcomm Snapdragon 625を搭載したMeizu M6 Noteがリリースされたためで、訴訟が起こされる前は2014年に発表された中国電信向けのMeizu m1 noteが搭載したSnapdragon 617を最後にSamsung製SoCとMediaTek製SoCのみを採用し続け、競合他社が高性能なSnapdragon 820やSnapdragon 821を採用する中MeizuはHelio X20やHelio X25といった性能が劣っているSoCを採用しているのにも関わらずSnapdragon採用機種よりも高い値段設定で販売されているという現象が発生していました。2020年現在のMediaTek製SoCは競合他社に劣らずむしろ優れている状況にありますが、当時は高性能なQualcomm製SoCを採用することが当然となっていたため、和解後の2機種目のSnapdragon搭載機としてMeizu M5Xが見つかり大きな注目を集めました。

 

Geekbench v4に姿を表したMeizu M5XはAndroid 7.1.2 Nougat、Snapdragon 650(MSM8952/実際の型番はMSM8956だが何かしらの原因でMSM8952と記載されることが稀にある)、RAM 3GBというスペックで、シングルコア性能は1,409点でマルチコア性能は3,795点とSnapdragon 650としてはやや高めのスコアとなっています。そこで開発者コードを利用して詳しく見るとCPUの具体的な構成は不明、GPUはAdreno 510となっていることがわかりました。Snapdragon 650とSnapdragon 652もAdreno 510を採用していますが、CPUのコア数はSnapdragon 650が6コア(ヘキサコア)でSnapdragon 652が8コア(オクタコア)となっており、Geekbench v4の計測結果には6コアのSoCが搭載されていると記載されていますが過去にコア数を偽って計測したものを見たことがあるため、この瞬間ではSnapdragon 650とSnapdragon 652の双方の可能性があるにとどめます。

 

そして気になるBuild欄はもし本当にMeizuがMeizu M5Xを開発しているのであれば“Flyme"から始まる必要がありますが、このMeizu M5Xは“lineage_kenzo-userdebug 7.1.2 NJH47D 9522e1e45e"となっており、AOSPベースのカスタムROMとなるLineage OSを搭載していることがわかります。更に機種名(開発コード)には“kenzo"の記載が確認され、この名称はSnapdragon 650を搭載したXiaomi Redmi Note 3(Xiaomi Redmi Note 3はHelio X10を搭載したモデルも存在)が当てはまります。また、Geekbench v4の計測結果にはCPUの周波数が1.65GHzを記載されていますが通常のSnapdragon 650は1.40GHzのため、Meizu M5X(偽)はSnapdragon 650を搭載したXiaomi Redmi Note 3をカスタムROMとなるLineage OS 14.1をインストールし、更にオーバークロックを行っていたものということになります。

 

過去にQualcommが新SoCとしてSnapdragon 680を開発しているかもしれないとGeekbench v4から明らかになったときもAndroid 8.1.0 OreoベースのLineageOS 15.1を搭載したXiaomi Mi MIX 2が偽装したことによって出現した偽のSoCとなったこともあるため、この様に情報を暴いていくとXiaomi製品がやり玉に挙がってしまう現象が発生してしまいます。もちろんXiaomiは何も悪くなく、Xiaomi製品を購入した一部の良くない考えを持った人が悪いのでこの点は注意したほうがいいでしょう。少し話がそれましたが、結論として「MeizuはMeizu M5Xを一切開発していなかった」ということになり、当時私は偽の情報を流してたことになります。

 

 

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