台湾のTSMCが2020年7月16日に開催した第二四半期決算説明会で、9月14日以降にHuaweiへの供給を継続する予定はないと発言したと中国メディアの財通社(Caitongnews)が伝えました。
Huawei完全子会社HiSiliconが開発したHuawei Kirin 990 5GやKirin 985、Kirin 820は台湾TSMCが製造を行っており、Kirin SoCはHuawei自社製SoCと言われますが台湾TSMCがいてこそ成り立っているため、今回の発言はHuaweiにとって大打撃となります。わかりやすく言うと、台湾TSMCを介するKirin SoC製造が不可能となります。9月14日が最終日となりますので、既に発表しているSoCと未発表だが製造を依頼しているSoCは在庫限りとなり、Kirin SoCを搭載したHuawei製品やHonor製品は生まれにくくなります。
この台湾TSMCの発言はアメリカ商務省が5月15日に発表した新たな制裁が関係しており、この新たな制裁が9月15日より正式に発行されるため、台湾TSMCは「9月14日以降にHuaweiへの供給を継続する予定はない」と発言を行っています。
Huaweiは新たな方向として中国のSMIC(中芯国際)を利用したKirin SoCの製造に着手し、実際に世に出ている製品としてKirin 710Aがありますが、このKirin 710AはHuawei P30 LiteやHuawei P40 lite Eが搭載しているKirin 710/Kirin 710Fよりも性能が低く、わかっているところではCPUの周波数がKirin 710は2.2GHz+1.71GHzとなっていますがKirin 710Aは2.0GHz+1.70GHzになり、更に製造プロセスもKirin 710が12nm FinFETですがKirin 710Aは14nm FinFETと台湾TSMCで製造したものよりも劣った性能となっています。
現実的なものとしてハイエンド製品やミドルレンジ製品のKirin SoCを搭載した製品は徐々に少なくなっていくと考えており、今後はMediaTekとの協力関係を強化しDimensity製品を積極的に採用するでしょう。ただHuawei製品とHonor製品の大きな特徴としてカメラ品質の高さが挙げられており、その品質の高さはKirin SoCに由来することろが大きいので、Dimensity製品の採用を始めると魅力となっているカメラ品質は注目点にはならなくなる可能性があります。