Snapdragon 778G 5Gを初搭載したHONOR 50とHONOR 50 Proが発表されたため、AnTuTu Benchmark v9スコアが明らかになりました。今回判明したスコアをSnapdragon 780G 5G、Snapdragon 768G 5G、Snapdragon 765G 5Gと比較します。
HONOR 50および50 Proが採用しているMagic UI 4.2にはSoCの性能を最大限利用できるパフォーマンスモード(競合他社製品の通常)とノーマルモードがありますが、今回は前者のパフォーマンスモードのスコアを採用しています。
Snapdragon 778G 5Gのスペックは、TSMC製6nm EUV、CPUはKryo 670(1xA78 2.4GHz+3xA78 2.4GHz+4xA55 1.8GHz)のオクタコア構成、GPUはAdreno 642L @550MHz、RAM規格はLPDDR5(3200MHz)、5GはSub-6GHz帯とmmWave(ミリ波)に対応しています。
GPUはSnapdragon 778G 5GとSnapdragon 780G 5Gは“Adreno 642”を採用していますが、前者は“L”が付与されたAdreno 642Lを搭載しています。“L”は低いを表す“Low”からきているので、通常のAdreno 642より少し劣ったGPUとなります。
命名から考えるとSnapdragon 780G 5Gの廉価製品の位置づけですが、LPDDR5対応やFR2定義のmmWave対応など優れている点がいくつか存在しています。
特にmmWave対応についてはアメリカ合衆国のVerizonがSnapdragon 765G 5Gを搭載したmmWave対応製品を発表していますが、Snapdragon 780G 5Gでは後継製品を生み出せない状況でしたのでSnapdragon 778G 5Gの存在は大きいでしょう。
Snapdragon 778G 5GのAnTuTu Benchmark v9スコアはCPU性能が156,368点、GPU性能が155,734点、MEM性能が84,467点、UX性能が125,125点で総合性能は521,694点となりました。
QualcommはSnapdragon 768G 5Gの後継製品として発表しているので比較すると、CPU性能は約24%、GPU性能は約35%も向上しています。要因としてCPU構成を1xA76+1xA76+6xA55から1xA78+3xA78+4xA55へ変更、GPUは世代の向上が考えられます。特にGPUはSnapdragon 888 5GのAdreno 660をベースとしているので、最先端の技術が採用されています。
Snapdragon 780G 5Gと比較するとCPU性能とGPU性能ともにSnapdragon 780G 5Gが優れ、GPUはAdreno 642 @490MHzとAdreno 642L @550MHzで後者の方が周波数が高いですが“L”が付与されている通りに純粋なAdreno 642が優れました。命名通りにSnapdragon 780G 5Gの廉価性能になっているのでわかりやすい製品展開です。
Snapdragon 778G 5G初搭載製品のHONOR 50とHONOR 50 Proの主なスペックは、Android 11ベースのMagic UI 4.2、120Hz 6.57インチ FHD+(2340x1080) OLED(Pro: 120Hz 6.72インチ FHD+(2676x1236) OLED)、リアカメラは1億800万画素+800万画素+200万画素+200万画素、フロントカメラは3200万画素(Pro: 3200万画素+1200万画素)、バッテリー容量は4300mAh(Pro: 4000mAh)となっています。
名称 | 8+128GB | 8+256GB | 12+256GB |
HONOR 50 | 2699元
(約46,000円) |
2999元
(約51,000円) |
3399元
(約58,000円) |
HONOR 50 Pro | - | 3699元
(約63,000円) |
3999元
(約68,000円) |
容量と価格は以上で、HONOR 50の最低価格は2699元、HONOR 50 Proの最高価格は3999元に設定されています。ミドルレンジ製品としてはやや高価な部類だと思います。
販売開始日は2021年6月25日10:08(日本時間: 11:08)です。