SAMSUNG Exynos 9810とExynos 8895、Exynos 8890、Exynos 7420を比較

SAMSUNGによるフラッグシップモデル向けプロセッサーの「SAMSUNG Exynos 9 Series 9810」を旧世代モデルとなるExynos 9 Series 8895とExynos 8 Octa 8890、Exynos 7 Octa 7420をAnTuTuベンチマークとGeekbenchを用いて比較します。比較に使用したツールはAnTuTuベンチマーク Ver.7とGeekbench 4です。

それぞれの搭載機種はSAMSUNG Galaxy S9+(G965F)、SAMSUNG Galaxy Note8(N950F)、SAMSUNG Galaxy Note FE(N935F)、SAMSUNG Galaxy Note5(N920T)です。Galaxy Note5はN920Fが望ましいですが検索しても見つかりませんでしたので、唯一検索で見つかったT-Mobile向けのN920Tを採用しています。他のモデルはグローバル版のAnTuTuベンチマークスコアランキングに載っているものを利用し、そのデータは1000回以上計測されたものの平均点ですので比較に使用するのに妥当だと判断しています。

 

スペック表

FinFETの後ろについている文字は、LPU(Low Power Ultimate)>LPC(Low Power Compact)>LPP(Low-Power Plus)>LPE(Low-Power Early)の順番でLPUが一番優れています。製造プロセスは同じ10nm FinFETでもLPEよりLPPの方が高性能化と省電力化に期待ができます。

CPUコア数は8コア(オクタコア)で変化はありませんが、Exynos 8890からは自社開発のExynosコアが採用されるようになっています。クロック数はビッグコアが2.3GHzが上限になっていましたがExynos 9810で2.9GHzと高クロックになっており、発熱が心配されていましたが今の所発熱がひどいという報告は出ていません。

GPUはARM製を搭載し続けており、特徴としては大量に搭載している点です。Exynos 8995の時はMP20(20コア)というのが判明した時には大きな反響がありました。Exynos 9810には更に多いコア数になるのではと言われていたこともありますが、フタを開けるとMP18(18コア)で従来機から下がるということもあって少し落胆の声があります。

 

総合性能

Exynos 9810は約25万点で従来機のExynos 8895から約5万点の成長となりました。1世代ずつ5万点近く成長しており、上手に開発が行えている印象を受けます。

CPUの成長もさることながらGPUの成長も見え、成長が止まると様々な方面から予想されていましたがその壁を打ち破っています。

 

CPU性能

Exynos M3を搭載したExynos 9810が9万点の大台に乗せました。Exynos 8895からは2万点の成長、Exynos 7420から45,000点の成長となっています。

Exynos 5 Octa 5430のCPU性能は約34,000点で、自社開発のExynos M1が採用されてから大幅な性能向上、つまりスコアアップしています。

 

GPU性能

GPU性能は93,731点でExynos 8895から16,000点の成長となっています。ただ、ライバル機となっているQualcomm Snapdragon 845は10万点を超えており、その点では大きく負けている現状です。どちらも快適にゲームができる点数が出ていますが、より快適性を追求するのであればSnapdragon 845に軍配が上がっています。Snapdragon 845のGPUの成長が著しいのと、Mali-G72がMP20ではなくMP18しか搭載されていないのが原因だと思われます。

一部情報ではLinkedInでGPUの開発が出来る人を募集していたというものがあり、自社製CPUに自社製GPUを検討している動きが見られています。Exynos M1の開発には3年かかったと言われ、自社製GPUも一朝一夕で出来るとは思いませんのでまだまだかかると考えています。最終的にはQualcommの用に完全に自社製SoCを作るのかもしれません。

 

UX性能

UX性能はこの数値が高いと快適性が高いということになります。今の所4万点以上あれば通常の利用で文句は出ない利用が出来るスコアになっていますのでExynos 9810は非常に快適性が高く、通常仕様でカクつくとかフリーズするとかそういう事は「あり得ない」というスコアになっています。Exynos 8895は現状快適性が高いラインにいますが、2019年になるとユーザーの求める快適性のラインを下回るかもしれません。

 

MEM性能

MEM性能はRAMと内蔵ストレージ読み書きの速さを計測し、この数値が高いとCPU性能も高くなります。Exynos 9810はこの中で1番スコアが高くなっていますが、9,600点程度のSnapdragon 845よりも13,000点のHiSilicon Kirin 970よりも低く、この分野では遅れを取っていることになります。

 

Geekbench

Geekbenchではスコアの集計が行われていませんので、ReaMEIZUの主観で数値の良いものをピックアップしています。その際にカスタムカーネルを用いて計測されたものではないものに限定しています。

Exynos 9810はExynos 8895と比べて別次元の進化を遂げており、ここまでの成長は他メーカーのSoCでも見たことがありません。Exynos 9810のスコアはApple A11 Bionicに近い数字が出ており、A11 Bionicは4,200点と10,000点です。このベンチマークのテストではSnapdragon 845(2,500点/8,500点)を大きく上回っており、Exynos M3の開発が成功しているのが明らかになっています。

 

総括

SAMSUNGの開発が順調であることがわかる比較となりました。ただ、SAMSUNG製SoCで比較をすると順調に成長を続けていますが、他SoCと比較するとGPU性能ではSnapdragon 845とMEM性能ではKirin 970に下回っている状態で、良い意味では進化する余地がありますが、悪い見方をするともう少し突き詰める事が出来たと思います。

というのもSAMSUNG製SoCは実質自社製SoCで他社(MEIZUを除く)に回すことがほぼ無いので、他社に提供しているQualcommと違って完成形を求めている方が多いです。ですのでまだ進化する余地のあるExynos 9810にはがっかりした人が多く、更にはSnapdragon 845にAnTuTuベンチマークでは2万点近く負けている現状なので、よほどの理由がない限りGalaxy S9/S9+のExynos搭載モデルを買う意味がなくなってしまいます。

CPU性能では大きく上回っていますが、今の所重視されるのはどれ位ゲームが快適に出来るかの指標となるGPU性能なので、この分野では負けて欲しくなかったというのが私個人の思いです。

 

今の所A11 Bionicの平均スコアは出ていませんが、色々なところで計測されたスコアを見てみると22万点未満なのでExynos 9810の方がスコアは一応高くなっています。当然搭載されているOSが違うので体感は異なりますので、あくまでもSoC間での比較です。スコアの観点だけで考えるとiPhone XよりもGalaxy S9/S9+を買う意味は大いにありそうです。

 

 

参考

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