Samsungは2022年3月16日に開催した年次株主総会で、性能を過度に抑制するGOS(Game Optimization Service)問題と5nm未満の最先端技術での歩留まりの低さを謝罪しました。
2022年も4月を迎えようとしていますが、2月下旬にGalaxy S22 UltraやGalaxy Z Fold3 5Gなど複数の主力製品で性能を抑制するGOS問題が発覚し、Geekbenchを開発するPrimate LabsがGalaxy S22からGalaxy S10までの4世代を公式の性能を記載する場所から除外するなど問題が広がりました。
今回、年次株主総会に登壇したDX部門CEOのJong-Hee Han氏は同問題を謝罪し、GOSは長時間のゲームを利用する際の過度の発熱を防ぐためにCPUとGPUの動作を最適化するように設計されていると述べたようです。現在、複数の市場でGOS問題を解決した更新が配信されており、性能の発揮を所有者に選択肢を与えるように改善されています。
そして、半導体分野においては5nmや4nmの最先端のプロセス技術での歩留まりの低さが明らかになりました。その歩留まり率は、4nm LPEプロセス技術を採用するSnapdragon 8 Gen 1が35%、Exynos 2200は詳しい数値は不明なものの更に低いと報じられており、安定的な供給が厳しいとの見方が出ています。今回の問題を受けてQualcommが2022年の途中からTSMC N4へ一部を移行、2023年は完全に移行するとの報道もあり、Samsungは非常に厳しい状態が続く可能性があります。
同年次株主総会に登壇したDS部門CEOのKyehyun Kyung氏は、同社は高度なプロセス技術の歩留まりは改善していると述べました。ただ、プロセス技術が進むほど複雑さが増すため、歩留まりを向上させるには時間がかかると同氏は語りました。近々での問題の解決は事実上不可能と述べているので、依然としてSnapdragon 8 Gen 1とExynos 2200の歩留まりは低い状態が続くと見ています。
問題が山積しているSamsungですが、業界随一の技術を持っているのは確かなので、さまざまな問題をひとつずつ解決して本来の輝きを取り戻して欲しいと思います。