Snapdragon 8 Gen 2でTSMC 4nm N4Pを採用しなかった理由、「性能と量産性の観点から」

Snapdragon 8 Gen 2でTSMC 4nm N4Pを採用しなかった理由、「性能と量産性の観点から」

Qualcommは先日、ハイエンド製品向けにSnapdragon 8 Gen 2を発表しましたが、製造プロセスに採用したものはTSMC 4nm N4でした。競合他社のMediaTekの製品のDimensity 9200はTSMC 4nm N4Pを採用しているのに対し、Snapdragon 8 Gen 2でやや古い製造プロセスを採用した理由について同社は記者団に対して回答を行いました。

 

現在のTSMC 4nmはN4、N4P、N4Xが提供されていますが、後者のN4Xは高性能コンピューティング(HPC)向けなので、本サイトが注目する製造プロセスはN4とN4Pとなります。N4PはN4の改良版で、性能や消費電力に関してはN4Pが上回るため、最新の製品がN4Pを採用している方が嬉しいのです。

 

今回発表されたSnapdragon 8 Gen 2はTSMC 4nm N4で採用されたため、記者団が「先週、競合する製品が発表された際、いわゆる第2世代のTSMC 4nm、つまりN4Pを使っていると言われていましたが、今回のSnapdragon 8 Gen 2はTSMC 4nm N4を使っていると聞きましたが、TSMCに新しいプロセスがありながら、なぜ今回はQualcommはそれを使わなかったのでしょうか?」と記者が尋ねたところ、「Snapdragon 8 Gen 2で採用された4nmプロセスは、性能と量産性の観点から最適であり、更に進んだプロセスノードがあるかもしれませんが、バランス的には現在のプロセスがより適切でしょう」と述べました。

 

QualcommはSamsung 4nm 4LPXを採用したSnapdragon 8 Gen 1でひどい歩留まりを目の当たりにしたので、その問題をもう二度と起こさないようにするため、Snapdragon 8 Gen 2をTSMC 4nm N4で製造することを決めたと考えています。

 

Snapdragon 8 Gen 2は多くのメーカーに採用される製品なので、性能も重要ですが、安定した量産を実現し供給を円滑にしてくれるファウンドリに製造を委託し、目標を達成できる最適な製造プロセスの選択が重要です。そうした結果、最新のTSMC 4nm N4Pではなくやや古いN4を選択することで、バランスをとることに成功したのでしょう。

 

Snapdragon 8 Gen 2の主なスペックは、製造プロセスがTSMC 4nm N4、CPUがKryoで3.19GHzで動作するCortex-X3を1基、2.80GHzで動作するCortex-A715を2基、2.80GHzで動作するCortex-A710を2基、2.02GHzで動作するCortex-A510 Refreshed版を3基の1+2+2+3構成、GPUはAdreno 740を採用しクロック数は680MHz、RAM規格はLPDDR5X、内蔵ストレージ規格はUFS 4.0、5G通信はSub-6GHz帯とmmWaveに対応し下りは最大10Gbpsです。