Qualcommは新SoCとして“Bengal”、“Lagoon”、“Scuba”、“Lito”を開発中

Qualcommは新SoCとして“Bengal”、“Lagoon”、“Scuba”、“Lito”を開発中

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Qualcommが新SoCとして“Bengal”、“Lagoon”、“Scuba”、“Lito”を開発中であることが、先日公開されたQualcomm Snapdragon 865 5Gを搭載したGalaxy S20シリーズのKernel Sourceから判明しました。

 

“Bengal”は文字通りベンガル(地方)のことで、公開されているデータによるとCPUは4+4のオクタコア構成(2016MHz+1804MHz)、GPUはAdreno 610を搭載し最大周波数は980MHzとなっています。Regulator(レギュレーター)ファイルからは電源管理ICとしてPM6125を採用しているので、Snapdragon 6 Seriesに属すると考えています。直近で発表されたSnapdragon 6 Series製品としてSnapdragon 662があり、CPUは4+4のオクタコア構成、GPUはAdreno 610を搭載しているため、“Bengal”はSnapdragon 662を指していると考えています。Snapdragon 665も同じ構成を採用していますが開発コードはTrinketのため、“Bengal”はSnapdragon 662だと考えています。

 

“Lagoon”は“Bengal”と異なり、情報が少ないです。CPUは2+6のオクタコア構成、GPUは不明、UFS規格に対応。Regulatorファイルからは電源管理ICとしてPM6350を採用していることが明らかになっているので、先日存在が明らかになったSM6350が“Lagoon”として開発が進められていると考えています。

“Lagoon”の意味は、砂州やサンゴ礁により外海から隔てられた水深の浅い水域のことのようです。

 

“Lito”は情報が詰まっています。CPUは1+1+6のオクタコア構成(2323MHz+2323MHz+1728MHz)、GPUはAdreno 620(最大750MHz)、UFS規格に対応となっています。電源管理ICはPM8150を採用しています。

 

Geekbenchでlitoと検索してみると、Snapdragon 765G 5Gと同じスペックのSoCが検索結果として現れます。しかし、今回存在が明らかになった“Lito”とは異なっているので、Galaxy S20シリーズのKernel Sourceに残っているのは試作機のSnapdragon 765G 5Gなのではないかと推測しています。

 

“Lito”には新しいバージョンとして“Lito v2”が存在しており、こちらのCPUは1+1+6のオクタコア構成(2707MHz+2343MHz+1804MHz)、GPUはAdreno 6 Series(625MHz/540MHz)となっています。CPUの周波数は一致しませんが、GPUの周波数はSnapdragon 765G 5GとSnapdragon 765 5Gと一致するため、この“Lito v2”もSnapdragon 765 5G/765G 5Gの試作機だったのでしょう。

 

更に“scuba”も発見し、CPUは4のクアッドコア構成、GPUは不明。電源管理ICはPM2250を採用しているため、Snapdragon 2 Seriesに属する製品でしょう。Qualcommは2019年7月にSnapdragon 215を発表しており、CPUはクアッドコア構成を採用しているので、“scuba”=Snapdragon 215ではないかと思ったのですが、Snapdragon 215の電源管理ICとしてPM215が存在しており、PM2250は全く新しいものなので別の製品ではないかと考えています。

 

まとめると、“Bengal”はSnapdragon 662、“Lagoon”はSM6350(Snapdragon 6 Seriesに属する未発表製品)、“Scuba”はSM2250(Snapdragon 2 Seriesに属する未発表製品)、“Lito”と“Lito v2”はSnapdragon 765 5G/765G 5Gの試作機と考えています(もしかするとSM7350の可能性も)。

 

参考(1) | (2)*pdfファイルがダウンロードされます。