Qualcommは現地時間2022年11月15日から開催しているSnapdragon Summit 2022で、完全自社開発CPUの名称が「Oryon(オライオン)」になると正式に発表しました。
SnapdragonのCPUの多くは「Kryo(クライオ)」を採用していますが、これはArmが開発・提供するCortexをセミカスタムしたものです。例えば、先日発表したSnapdragon 8 Gen 2のCPUにはCortex-X3、Cortex-A715などが採用されています。今回発表したものはArmのライセンスに基づいて開発された完全自社開発CPUとなり、Qualcommが追い求める性能を色濃く表現することが可能になります。
ただ、それを消費者に提供する道は決してなだらかで歩きやすいものではないので、Qualcommは自社で開発プロジェクトを新しく立ち上げるのではなく、CPUなどを設計してきたNUVIAを買収して、その技術をQualcommが利用することで達成しました。
AArch32環境ではSnapdragon 800と801で「Krait(クライト)」を開発し採用していましたが、AArch64環境ではArmの開発したものを採用したので、現代の環境においては初めての自社開発CPUとなります。表現としては、新たな挑戦より本腰を入れて再挑戦が正しいのかもしれません。
「Oryon」を初搭載したSnapdragonは2023年に発表される予定で、具体的な製品名は明らかにされていないものの、最初はスマートフォン向けではなくコンピューティングで採用すると明らかにしているので、Snapdragon 8cx Gen 4で採用されると考えています。
その後、さまざまな製品が「Oryon」を採用する予定で、スマートフォン向けは2024年に発表される予定のSnapdragon 8 Gen 4の採用が有力です。