MediaTek Dimensity 1000+のベンチマークスコアが判明。VS. Snapdragon 865 5G、Snapdragon 855+、Exynos 990、Kirin 990 5G

MediaTek Dimensity 1000+のベンチマークスコアが判明。VS. Snapdragon 865 5G、Snapdragon 855+、Exynos 990、Kirin 990 5G

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MediaTek Dimensity 1000+(MT6889)を初搭載したvivo iQOO Z1(V1986A)が発表されましたので、AnTuTu Benchmark v8とGeekbenchのスコアが判明しました。今回この判明したベンチマークスコアを競合他社製品のQualcomm Snapdragon 865 5GSnapdragon 855+Samsung Exynos 990Huawei Kirin 990 5Gと比較します。なお、AnTuTu公式はiOS搭載機との比較を推奨していないため、Apple A13 BionicやA12Z Bionicとは比較は行いません。

 

Dimensity 1000+のスペックは台湾TSMC製7nm FinFET製造プロセスを採用、CPUは4xARM Cortex-A77(2.6GHz)+4xARM Cortex-A55(2.0GHz)のオクタコア構成、GPUはARM Mali-G77 MC9 @836MHz、5G通信対応モデムはHelio M70を内蔵しSub-6GHz帯のみ対応しています。Dimensity 1000+の大きな特徴はCPUにA77、GPUにG77を採用したデュアル77構成となっており、昔のMediaTekであれば1世代古いものを使用していましたが今回のDimensity 1000+は最新のCPUとGPUを採用しています。ちなみにGPUのMC表記は画素数を表すMP(メガピクセル)の表記と重なることを避けているとMediaTekは明かしており、競合他社製品のMPと同じ意味を持っています。

 

Dimensity 1000+のAnTuTu Benchmark v8スコアはCPU性能が154,200点、GPU性能が192,456点、MEM性能が85,848点、UX性能が89,529点で総合性能は522,033点という結果になりました。CPU性能はSnapdragon 865 5G、Exynos 990に次いで3位に位置しており、全体的に周波数の高いSnapdragon 865 5GとExynos 990には敵わない結果になりました。一方でSnapdragon 855+やHuawei Kirin 990 5Gには勝っており、2020年におけるハイエンドの性能は持っていると認識していいと思います。

GPU性能はARM Mali-G77 MC9 @836MHzと多コア+高周波数となっていますが、Snapdragon 865 5GやSnapdragon 855+、Exynos 990には敵っていません。ただSnapdragon 855+を搭載した一部の機種ではDimensity 1000+が発揮した192,456点よりも低いのがいくつかありますので、こちらも2020年におけるハイエンドの性能は持っていると認識していいと思います。

MEM性能はLPDDR4X規格までしか対応していないのと、vivo iQOO Z1がTurbo Write(TW)+Host Performamce Booster(HPB)技術を有していないのでこの様なスコアになっています。UX性能はvivo iQOO Z1が144Hzの高リフレッシュレートに対応したディスプレイを採用しているため、高いスコアが発揮されています。

 

CPU性能を計測するのに長けているGeekbench v5ではシングルコア性能は784点、マルチコア性能は3,085点という結果になりました。シングルコア性能ではSnapdragon 865 5Gは2.84GHzのA77コアを採用し、Exynos 990は2.73GHzの自社開発のExynos M5コアを採用しているため、2.6GHzのA77コアを採用しているDimensity 1000+が3番目に位置しています。マルチコア性能でも全体的な周波数の高いSnapdragon 865 5GがDimensity 1000+を上回っており、2020年のAndroid市場における頂点はSnapdragon 865 5Gで揺るぎない状態です。

 

初搭載機となるvivo iQOO Z1は6月1日より販売開始で、6GB+128GBモデルが2198元(約33,000円)、8GB+128GBモデルが2498元(約38,000円)、8GB+128GBモデルが2798元(約42,500円)に設定されています。集英社の週刊少年ジャンプにて連載されているONE PIECEとコラボしたvivo iQOO Z1 航海王聯合定制版もありますが、こちらは価格・販売日時ともに不明です。