2021年発表のPixel 6とPixel 6 Proが搭載した独自開発SoCのGoogle Tensorは、Cortex-X1を2基採用する極めて異例なCPU構成で大きな注目を集めました。今後の製品も同様の構成を採用すると考えられていましたが、台湾発の情報として韓国で公開されたものはそれを否定しました。
Snapdragon 888 5GやExynos 2100はCortex-X1を1基採用しましたが、Google Tensorは前述の通り2基採用しました。その理由はML性能に重きを置いたためと考えられており、AI性能はSnapdragon 888 5GやExynos 2100、Apple A15 Bionicよりも高い性能を発揮し、特に言語処理能力が高く、Pixel 6とPixel 6 Proの所有者に優れた体験を提供しています。
そのため、将来のGoogle TensorはCortex-X2を2基、Cortex-X3を2基採用すると考えていましたが、韓国で公開された情報によると次期Google TensorはCortex-X3を1基採用する計画を立てていると明らかになりました。そして、Cortex-A710を3基採用し、GoogleとSamsungの検証ではML性能が犠牲になりましたが、消費電力が少なくなったと報告されています。「次期Google Tensor」はPixel 7とPixel 7 Proが搭載するGoogle Tensor 2を指していると考えており、例年通りであればTechtoberの10月に発表される予定なので、世界初のCortex-X3搭載製品となる見込みです。
この他、GPUはAMD RDNA 2を採用していると報告されており、Exynos色の濃い製品になる可能性があります。GoogleのAMD RDNA 2採用は2021年6月に判明し将来的な採用が確定していましたが、2023年の採用が示唆されていたため、計画を早める見込みです。Google TensorはGoogleとSamsungの共同開発製品なので、Samsungと契約を結んだAMDの技術が採用できるようです。
プロセス技術はGoogleの技術者の情報によると、Snapdragon 8 Gen 1とExynos 2200と同じSamsung 4nm LPEを採用する予定ですが、同技術は歩留まりの低さが判明しており、Snapdragon 8 Gen 1で35%とされています。これは1枚のウェハあたり、35%が規格適合品、65%が不適合品を表すため、Googleに対して直接的な被害が及ぶ可能性は低いですが、もし、何かしらの影響が出ると特定の配色や容量の販売が遅れる可能性もあります。