Huawei完全子会社のHiSiliconが開発提供している5G通信対応のミドルレンジ帯向けプロセッサーのHuawei Kirin 820のDie ShotがTwitterのDigital Animal氏(@Beshooter)によって公開されました。KirinプロセッサーのDie Shotはなかなか公開されないため、今回の情報は非常に貴重です。
Digital Animal氏が公開したKirin 820のDie Shotには8コアのGPUが存在されており、公式が明かしているスペックはARM Mali-G57 MP6のため2コア多く余分に存在しています。何故余分に2コア多い8コアのGPUが存在しているのか、というのはKirin 820の後に発表されたHuawei Kirin 985が謎を解決してくれます。
Kirin 985とKirin 820はスペックが非常に似ており、製造プロセスは台湾TSMC製7nm FinFETを採用し、CPUは周波数は違うもののコア構成(1xA76*+3xA76*+4xA55)は全く同じで、GPUはKirin 985はMali-G77 MP8でKirin 820はMali-G57 MP6と違う様に見えますが、G57とG77は同じValhallアーキテクチャーに基づいたGPUとなっていますので根っこの部分では同じです。そのため、Kirin 985とKirin 820は全く同じ設計を採用しているのではないかと仮設を立てていましたが、Kirin 820のDie Shotに8コアのGPUが存在しているためKirin 985とKirin 820は同じ設計を採用していることが確定となりました。
この様な設計方法はApple iPad Proに採用されているApple A12X BionicとA12Z Bionicの関係と同じです。無駄な開発リソースを使わないという点においては非常に上手です。