Allwinner A733のベンチマークスコア、NPUの採用は魅力だが「特別」ではない

Allwinner A733のベンチマークスコア、NPUの採用は魅力だが「特別」ではない

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中国のAllwinner (全志科技)が開発したA733を搭載した製品が、いくつか日本市場で販売されているのを確認したので、ベンチマークスコアをまとめて同価格帯の製品に搭載されるものと比較しました。今回の比較対象はHelio G99とUNISOC T7280で、特にA733はHelio G99と比較されているのを見ますので、この記事でどちらが上なのかをはっきりさせましょう。

 

今回の性能の比較にあたり、AnTuTu BenchmarkとGeekbenchで算出された性能を利用しています。前者のAnTuTuは開発元がiOSとAndroidの異なるOSで比較できないと声明を発表しているため、お手持ちのiPhoneで算出された性能と比較するのはお控えください。なお、後者のGeekbenchでは異なるOSでの比較が可能のため、こちらの性能は是非とも比較を行ってください。

 

Allwinner A733の主な仕様は、製造プロセスがTSMC 12nm 12FFC、CPUは最大2.00GHzで動作するCortex-A76と最大1.79GHzで動作するCortex-A55を2+6構成で採用、GPUは最大750MHzで動作するBXM-4-64 MC1、RAM規格はLPDDR5、内蔵ストレージ規格はUFS 3.0、モバイルデータ通信は非対応です。

 

Allwinner A733単体で見ると、サポートするRAM規格と内蔵ストレージ規格は目を見張るものはありますが、実際に搭載された製品のスペックを見るとLPDDR4XのRAMとUFS 2.xの内蔵ストレージを搭載しており、その本領を発揮できてない様子が見受けられます。そのため、今回のスコアは本領発揮を出来ていない状態になりますが、その状態で売られていることも真実ですので参考にはなると思います。

 

Helio G99と比較すると、確かにCPUは同じものを採用しており、比較対象として挙げられるのはここが由縁でしょう。ただ、仕様上ではありますが、動作周波数はHelio G99が完全に上回っており、戦うまでもないような気がします。GPUに関しては同じものではないため、ベンチマークでの比較が重要です。

 

UNISOC T7280 (旧T620)と比較すると、CPUはAllwinner A733が1世代新しいものを採用しており、一定の優位性があるように見えます。ただ、動作周波数がUNISOC T7280の方が高く、これはCortex-A76がCortex-A75の性能比較になりそうです。GPUはHelio G99と同じく異なるものを採用しているため、ベンチマークでの比較によって優劣を決めます。

 

これだけではAllwinner A733の優位性がないように思えますが、他の製品にはない大きな特徴として3.0 TOPSのNPUを独立して搭載していることが挙げられます。と言っても3.0 TOPSなので決して高い性能ではありませんが、AI処理を利用する時にHelio G99やUNISOC T7280はCPUやGPUが動く一方で、Allwinner A733はNPUのみが動作するので省電力性が期待できます。

 

Allwinner A733のAnTuTu v10における性能は、CPU性能が120,941点、GPU性能が24,258点、MEM性能が92,461点、UX性能が82,518点で、総合性能が320,178点となりました。このスコアはv10のもので、最新のv11ではないので注意してください。ただ、同じバージョンであれば比較としての意味は成り立ちますので、一定の参考にはなります。

 

CPU性能に注目すると、比較対象とされることの多いHelio G99には敵いませんでしたが、同価格帯のライバルのUNISOC T7280よりは上となりました。Helio G99を下回った要因はやはり動作周波数が低いことで、同じものを採用しているが故にその差を埋めることは出来ませんでした。

 

GPU性能では、Helio G99には全く歯が立たず、およそ40%の性能しかありません。また、CPU性能では勝っていたUNISOC T7280に、GPU性能で微々たる差ではありますが負けており、このGPU性能の低さは明確な欠点と言えます。また、Imagination Technologies製のGPUというマイナーなものを採用しており、相性問題もあるので理解していない人が触るにはあまりおすすめできません。

 

Geekbench 6におけるAllwinner A733の性能は、シングルコア性能が650点で、マルチコア性能が1,541点となりました。Geekbenchは基準点が存在しており、IntelのCore i3-8100の性能が1,000点に設定されています。

 

シングルコア性能に注目すると、Helio G99と同じCortex-A76を採用していますが、大きく立ちはだかる動作周波数の壁によって、敗北を喫しました。Helio G99の性能を100%とするとAllwinner A733は約87%の性能となりますが、この価格帯では性能は高いに越したことはなく、様々な動作で快適度が異なってきます。その前提で見ると、UNISOC T7280はこれらの製品と比較すると選ぶ価値はあまりないです。

 

マルチコア性能でも、やはり動作周波数の壁によってHelio G99には敵わず、シングルコア性能よりも差が広がってしまい、確実にHelio G99に優位性があることを証明させられました。そして、シングルコア性能同様にUNISOC T7280は、Allwinner A733としっかりと差が出てしまっており、わざわざこれを搭載した製品を買う必要はなくなってしまいました。

 

Allwinner A733の総括としては、Helio G99のライバルにはなり得ませんが、UNISOC T7280よりは優れているので一概に選ぶ価値がないとまでは評価できない、です。1万円代でこの性能が発揮されていたら十分ではあると思います。

 

ただ、Helio G99を搭載した製品を購入する余裕が少しでもあるならばHelio G99を選んで欲しいですし、確実に満足できると思います。Amazonで見た限りは数千円の差なので、ここをケチらずにより上のものを選んでください。

 

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