Qualcommは現地時間2021年1月4日(日本時間1月5日)に新製品としてQualcomm Snapdragon 480 5G Mobile Platformを発表しました。Snapdragon 480 5GはSnapdragon 4シリーズに属する製品で、同シリーズに属する著名な製品はRakuten Miniが搭載しているSnapdragon 439、AQUOS sense2が搭載しているSnapdragon 450があり、日本国外の市場では3万円未満の製品が多く搭載しています。
名称 | Snapdragon 480 5G | Snapdragon 460 | Snapdragon 439 |
CPU | Kryo 460
2xA76 + 6xA55 |
Kryo 240
4xA73 + 4xA53 |
4xA53 + 4xA53 |
周波数 | 2.0GHz + 1.8GHz | 1.8GHz+1.6GHz | 2.0GHz+1.45GHz |
GPU | Adreno 619 | Adreno 610 | Adreno 505 |
周波数 | 600MHz | 650MHz | |
NPU/DSP | Hexagon 686 | Hexagon 683 | Hexagon 536 |
カメラ | Triple 12-bit Spectra 345 IPS
6400万画素 or 2500万画素+1300万画素(ZSL) or 3x1300万画素(ZSL) |
Dual 14-bit Spectra 340 ISP
4800万画素 or 2500万画素(ZSL) or 2x1600万画素(ZSL) |
Dual 14-bit Spectra ISP
2100万画素 or 2x800万画素 |
リフレッシュレート | FHD+@120Hz
HD+@120Hz |
FHD+@60Hz
HD+@90Hz |
|
エンコード/デコード | FHD@60FPS 10-bit H.265
Slow-mo 720p@120FPS |
FHD@60FPS 10-bit H.265 | FHD@30FPS H.264 |
RAM | 2x 16-bit CH
LPDDR4X@2133MHz |
1x 32-bit CH
LPDDR3@933MHz 2x 16-bit CH LPDDR4X@1866MHz |
1x 32-bit CH
LPDDR3@800MHz |
ストレージ | eMMC 5.1
UFS 2.2 |
eMMC 5.1
UFS 2.1 |
eMMC 5.1 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 5 |
Bluetooth | Bluetooth 5.1 | Bluetooth 5.1 | Bluetooth 5.0 |
位置情報 | GPS, Glonass, BeiDou, Galileo, QZSS, NavIC | GPS, Glonass, BeiDou, Galileo, QZSS, NavIC, SBAS | |
通信 | 内蔵: Snapdragon X51 5G
LTE Cat.15/13(800Mbps/210Mbps) NR Sub-6GHz+mmWave(2500Mbps/660Mbps) |
内蔵: Snapdragon X11
LTE Cat.12/13(390Mbps/150Mbps) |
内蔵: Snapdragon X6
LTE Cat.4/5(150Mbps/75Mbps) |
急速充電 | Quick Charge 4+ | Quick Charge 3.0 | Quick Charge 3.0 |
製造プロセス | 8nm LPP | 11nm LPP | 12nm LPP |
内部コード | SM4350 | SM4250-AA | SDM439 |
Snapdragon 480 5Gは“Holi”の開発コードで開発されていた製品で、CPUは独自アーキテクチャのKryo 460を採用し、GPUはAdreno 6シリーズに属するAdreno 619を、DSPにはHexagon 686を採用し高いCPU性能やGPU性能、AI性能を有しています。CPUに採用されているKryo 460はSnapdragon 675が初採用したもので、Snapdragon 675のCPUの周波数は2.0GHz+1.7GHzとなっている一方でSnapdragon 480 5Gは2.0GHz+1.8GHzに設定されているためわずかですがSnapdragon 480 5Gが優れるでしょう。そしてGPUに採用しているAdreno 619はSnapdragon 7シリーズとして初めてCPUにARM Cortex-A77を採用したSnapdragon 750G 5Gと同じGPUを採用しており、開発時には875MHzに設定されていましたがSnapdragon 750G 5Gは800MHzに設定されているため、もう少し周波数が抑えられると考えています。
また、高性能なCPUとGPUとDSPを採用したことでSnapdragon 460と比較してCPU性能は100%、GPU性能は100%、AI性能は70%の性能向上が出来ており、今までのSnapdragon 4シリーズ製品とは一線を画するものになると考えています。
そして、Snapdragon 480 5Gは通信モデムとして5G通信を可能にするSnapdragon X51 5G Modemが内蔵されているためSnapdragon 4シリーズ初の5G通信対応製品となっており、FR1で定義されているSub-6GHz帯に加えてFR2で定義されているmmWave(ミリ波)にも対応し、通信面においてはハイエンド級の性能を有しています。また、RAM規格はLPDDR4X、内蔵ストレージ規格は最新のUFS 2.2、通信面においてもWi-Fi 6やBluetooth 5.1対応といった2021年に求められる基本的な性能を有しています。更に、急速充電はSnapdragon 6シリーズ製品でも未対応なものが多く存在する最新の独自規格となるQuick Charge 4+に対応し、ミドルレンジからエントリーレベルの製品なのに関わらず高性能な規格にも対応しています。
Snapdragon 480 5GはNokia製品を展開するHMD Global、中国企業のOPPOやOnePlusやvivoが採用した製品を発表することを明らかにしています。QualcommはSnapdragon 480 5Gが搭載された製品は2021年の早い時期に発表される見込みとしています。