Qualcomm Snapdragon 865+ 5Gが発表されていますが、依然として中国企業はSnapdragon 865 5Gを使用しています。ただこのSnapdragon 865 5Gは2020年上半期に発表された機種に搭載しているものと微妙に異なっている点が存在しており、それはGPUの周波数が異なっているというものです。
Snapdragon 865 5Gの通常のGPU周波数は最大587MHz、Snapdragon 865+ 5Gは最大670MHzとなっています。しかし、vivo iQOO 5/vivo iQOO 5 Proは最大635MHz、nubia Red Magic 5Sは670MHz、Xiaomi Mi 10 Ultraは725MHz、Tencent Black Shark 3Sは905MHz(3月に発表されたTencent Black Shark 3およびTencent Black Shark 3 Proはアップデートで905MHzに対応)と、GPUのオーバークロックが認められている現状にあります。これらの機種は特殊な条件でGPUのオーバークロックが可能になっており、例えばvivo iQOO 5/vivo iQOO 5 ProとXiaomi Mi 10 Ultraは特定のアプリを用いてホワイトリストに登録するとそのアプリ使用時において635MHzまたは725MHzに、nubia Red Magic 5Sはアクセサリーとして「紅魔氷風散熱魔盒」を装着し動作させた場合に670MHzに、Tencent Black Shark 3SはGPU加速(中国語表記)をオンにすることで905MHzの利用が可能になります。
Snapdragon 865 5GとSnapdragon 865+ 5G、GPUをオーバークロックしているSnapdragon 865 5GをAnTuTu Benchmark v8のスコアを用いて簡単に比較します。905MHzのSnapdragon 865 5Gが725MHzのSnapdragon 865 5Gと遜色無い理由として、905MHzはあくまでも“最大周波数”となっていて安定している周波数は725MHzのためです。635MHzと670MHz(差:35MHz)よりも、670MHzと725MHz(差: 55MHz)の差が大きく開いている点については現状は不明です。
ちなみに、Snapdragon 865+ 5G搭載機においてGPUをオーバークロックした機種は今の所存在していません。そして、今回の比較はGPUの性能だけですがSnapdragon 865 5GとSnapdragon 865+ 5GはCPUの性能も異なり、更に通信面の性能も異なっています。そのため、GPUの性能が優れているからSnapdragon 865 5Gの方が全て優れていると考えるのは危険で、Snapdragon 865 5Gの587MHzで十分に使用できるのでGPUの周波数だけで選ばないで自分が何が欲しいかを見極めてスマートフォンやタブレットを購入してください。