中国のUNISOC (紫光展鋭)は、2018年に発表されたCortex-A76の採用を続けていますが、ついにそれから脱する可能性が出てきました。
性能が期待されるUNISOCの新製品はGeekbenchに姿を現し、開発コード名がums9632と判明しました。最近発表されたUNISOC T620がums9630なので、それよりも新しい製品であるとわかっていただけると思います。
新製品は3種類ありますが、CPUが2+6構成で共通しており、動作する数値はそれぞれ最大2.42GHzと最大2.18GHz、最大2.21GHzと最大2.18GHz、最大2.21GHzと最大2.04GHzとなっています。
それぞれGeekbench 6で計測されており、1種類目はシングルコア性能が972点でマルチコア性能が2,331点、2種類目は906点と2,231点、3種類目は879点と2,166点で、設定されている数値通りに1種類目が高い性能を発揮しています。
CPUに注目すると、識別子が65の3393となっています。65はArmを意味し、3393はArm製の場合はCortex-A78を意味しますので、開発中の新製品はCortex-A78を採用することが確実です。以上のことから、高性能コアはCortex-A78を採用するため、ほぼ必然的に高効率コアはCortex-A55を採用し、これらの製品はCortex-A78とCortex-A55で構成された製品となります。
GPUは共通してMali-G57 MP2を採用し、OpenCLの性能もCPU性能と相関があり、それぞれの製品の中で1種類目が最も高く算出されています。上の画像では1種類目のもので動作する数値が1050MHzと記載されていますが、それが実際に採用されるのか不明なので、今はこの数値は無視してください。
現時点で最上位の製品はUNISOC T820です。この製品は、CPUがCortex-A76とCortex-A76とCortex-A55を1+3+4構成で採用、GPUはMali-G57 MP4のため、総合的に見ると新製品よりも性能が高い可能性がありますが、UNISOCがより新しいCortex-A78の採用に踏み切ったという事実がとても大事です。