POCO X3 Proが初搭載したSnapdragon 860のAnTuTu Benchmark v9スコアが判明しましたので、Snapdragon 855+とSnapdragon 855と比較します。今回はv8ではなく最新のv9を利用していますので注意してください。
Snapdragon 860の主なスペックは、TSMC製7nm(N7)プロセス技術、CPUはKryo 485(1xA76+3xA76+4xA55)で周波数は2.96GHz+2.42GHz+1.80GHz、GPUはAdreno 640 @675MHzとなっています。
CPUとGPUはSnapdragon 855のOC(オーバークロック)版のSnapdragon 855+と同じで、プロセス技術における変革もないので性能は同じになるでしょう。
主な更新点として、Snapdragon 860はSnapdragon 855+からAI性能、デュアルディスプレイ環境における対応リフレッシュレート、RAMの最大容量が変更されています。AI性能はSnapdragon 855+とSnapdragon 855は7.0 TOPS AIですが、Snapdragon 860は7.6 TOPS AIへ向上、RAMの最大容量はLPDDR4X規格で12GBから16GBへ増量しています。
通信は4G対応モデムを内蔵し5Gに非対応ですが、Snapdragon X50 5G ModemやX55 5G Modemを外部モデムとして利用すると5G通信(Sub-6GHz+mmWave)に対応します。初搭載機のPOCO X3 Proは外部モデムを使用していないため、4G通信対応製品として発表・販売されています。
搭載製品はSnapdragon 860はPOCO X3 Pro(8+256GB)、Snapdragon 855+はrealme X3 Super Zoom(8+128GB)、Snapdragon 855はOnePlus 7 Pro(8+256GB)です。
Snapdragon 860のAnTuTu Benchmark v9スコアは、CPU性能が146,154点、GPU性能が203,556点、MEM性能が100,601点、UX性能が116,020点で総合性能は566,331点となりました。
総合性能ではSnapdragon 855+が優位に立っていますが、CPU性能とGPU性能に着目すると共に似た性能を発揮しており、大きく差が出たのはOS部分の快適性を表すUX性能なので、スペック通りの同じ性能を有していると見ていいでしょう。
Snapdragon 860はQualcommの5G非対応製品において最高性能を有するSoCなので、なかなかおもしろいものが生まれたと考えています。今はPOCO X3 Proしか搭載製品がなく、realmeやvivoなどがインド市場向けに1から2機種発表するとSnapdragon 860の地位は高くなっていくと思いますが、これからの未来を考えると高性能な5G非対応製品を発表する意味がないので現実問題としては難しいでしょう。
そして、Snapdragon 860は2021年に発表された製品ですが、元となっているSnapdragon 855とSnapdragon 855+はSnapdragon 888 5Gから2世代古い製品になるので、「Snapdragon 860搭載機を購入する」というよりは「欲しい製品がSnapdragon 860を搭載していた」の方が満足して使用できると思います。
Source | Banggood: POCO X3 Pro(6+128GB) / (8+256G)