AnTuTu Benchmark v9 Open Betaが公開、全ての項目で調整・SoCのL1からL3キャッシュも関与

AnTuTu Benchmark v9 Open Betaが公開、全ての項目で調整・SoCのL1からL3キャッシュも関与

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AnTuTu Benchmarkを開発・提供しているAnTuTuは、最新版となるV9のOpen Betaを2021年3月22日に公開しました。今までみなさんが使用してきたものはAnTuTu Benchmark v8なので、メジャーアップデートとなります。

 

主な更新点として1つ目は、CPU性能の大幅なアルゴリズムの調整によってシングルコアとマルチコアがベンチマーク由来のものではなく実際のアプリのCPU要件に応じて調整。2つ目は、GPU性能の新たなシーンとしてVulkan APIを使用するSwordmansを追加。

 

2つ目の調整についてはOpenGL ES3.1+AEP性能のRefinery、Vulkan性能のTerracottaとCoastlineの3つでしたが、CoastlineがSwordmansに置き換わるため計測項目数は変更されません。また、Open Betaなので徐々に修正されていくと考えていますが、現在はQualcommのAdrenoよりもHUAWEIやSamsung、MediaTekが採用しているARM Maliの方がわずかに優遇された状態が見受けられます。

 

3つ目は、RAMの性能についてはSoCが有するL1からL3キャッシュを考慮、内蔵ストレージの性能については最大1TBに対応し、高速化や大容量のメリットが反映されるように調整。

 

4つ目は、UX性能は画面の解像度を考慮、画像デコード性能についてはHEIFフォーマットに対応、ビデオデコード性能はH264、H265、VP9の主流なものだけではなく最新のAV1にも対応しています。

 

AnTuTu Benchmarkはメジャーアップデートの度にスコアが上昇する傾向にあり、今回公開されたものも前作と比べてスコアが上昇しているので、今作と前作のスコアの相関関係はありません。(59万点前後だったSnapdragon 865 5G搭載Meizu 17が、AnTuTu Benchmark v9で65万点前後にスコアアップしています。)

 

また、現時点で84万点を記録するスマートフォンもありますので近く「90万点を超えている」と発表される製品があると思いますが、それはAnTuTu Benchmark “v8”ではなくAnTuTu Benchmark “v9”で計測されたものだと認識するようにしましょう。

 

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