Snapdragon 750G 5Gのベンチマークスコアが判明。VS. Snapdragon 765G 5G、Kirin 820、Dimensity 820、Exynos 980

Snapdragon 750G 5Gのベンチマークスコアが判明。VS. Snapdragon 765G 5G、Kirin 820、Dimensity 820、Exynos 980

Benchmark

Xiaomi Mi 10T Liteが初搭載した5G通信に対応したQualcomm Snapdragon 750G 5GのAnTuTu Benchmark v8スコアとGeekbench v5スコアが明らかになりましたので、Snapdragon 765G 5G、HUAWEI Kirin 820、MediaTek Dimensity 820、Samsung Exynos 980と簡単に比較を行います。今回の比較はあくまでもベンチマークスコアを用いていますので、実使用感に関するソフトウェアの安定度や通信の安定性、ゲーム体験やバッテリーの持ちは考慮していないことを理解してください。

 

Snapdragon 750G 5GのスペックはSamsung 8nm LPP製造プロセス、CPUはKryo 570(2xA77+6xA55)のオクタコア構成で周波数は2.2GHz+1.8GHz、GPUはAdreno 619で周波数は現在不明、内蔵ストレージはUFS 2.2、RAM規格はLPDDR4X、リフレッシュレートはFHD+環境で最大120Hz、最大通信速度は5G通信環境下では下りが3700Mbpsで上りが1600Mbpsとなっています。

 

Snapdragon 750G 5GはSnapdragon 7シリーズ製品として初めてARM Cortex-A77を採用し、既に発表されているSnapdragon 768G 5GやSnapdragon 765G 5G、Snapdragon 765 5GはARM Cortex-A76を採用していますので、CPUの性能はSnapdragon 750G 5Gの方が優れていると考えています。GPUの周波数は現状不明で、Xiaomiは搭載機のGPUの周波数を公開する企業ですが、Xiaomi Mi 10T Liteのスペック表には記載がなく例外となっているため、Kernel Sourceが公開されると判明します。

 

Snapdragon 750G 5GのAnTuTu Benchmark v8スコアはCPU性能が115,426点、GPU性能が77,754点、MEM性能が66,679点、UX性能が69,173点で総合性能は329,032点という結果になりました。Snapdragon 765G 5Gの総合性能は339,064点となっているため、差はわずか10,000点と小さい差になっています。AnTuTu Benchmark v8ではMEM性能やUX性能も含まれており、この性能はRAMや内蔵ストレージの容量によってMEM性能が、リフレッシュレートによってUX性能が変動するため、CPU性能とGPU性能を抽出した完全なSoC比較をします。

 

CPU性能とGPU性能に注目するとSnapdragon 750G 5GとSnapdragon 765G 5Gは、CPU性能が115,426点と111,845点、GPU性能が77,754点と93,598点でCPU+GPU性能は193,180点と205,443点で12,000点程の差で、特に差が激しいのはGPU性能となっております。しかし、Snapdragon 750G 5GはSnapdragon 765G 5Gと同じくゲーム体験を向上させるSnapdragon Elite Gamingが採用されているため、高負荷な3Dゲームを最高設定でプレイしない限りは快適にプレイできると考えています。そのため、Snapdragon 750G 5GのGPU性能はSnapdragon 765G 5Gよりも低いですが問題は全くありません。

 

Snapdragon 750G 5GのGeekbench v5性能は、シングルコア性能が660点でマルチコア性能は2,001点という結果になりました。Snapdragon 765G 5Gと比較してシングルコア性能は2.2GHzのA77の方が2.4GHzのA76よりも性能が高く、マルチコア性能では2xA77+6xA55の2.2GHz+1.8GHzの方が1xA76+1xA76+6xA55の2.4GHz+2.2GHz+1.8GHzよりも性能が優れていることが表れており、ARM Cortex-A77の性能が非常に優れていることがわかります。

 

同じCPUと周波数を採用しているExynos 980との比較ではシングルコア性能ではExynos 980が、マルチコア性能はSnapdragon 750G 5Gが上回っていますが、これはGeekbenchでの周波数の動きを見てみるとSnapdragon 750G 5Gの場合は218xMHz(x=0-9)なのに対してExynos 980は219xMHz(x=0-9)と高い周波数を維持しているため、シングルコア性能ではExynos 980が上回っていると考えています。一方でマルチコア性能でSnapdragon 750G 5Gが優れたのはSamsung Exynos独自のガバナーenergy_stepを採用していることが考えられ、このガバナーがどの様に動作しているのかという確たるものはありませんが、おそらくは全てのコアが動作する際にのみ最高周波数で稼働しないように調整している可能性が高く、その結果として全てのコアが高い周波数で動作するようになっているSnapdragon 750G 5Gが上回ったと考えています。

 

Snapdragon 750G 5Gの存在はAnTuTu Benchmark v8の性能だけを見ると悩ましいものになりますが、Geekbench v5も利用して比較するとCPU性能がSnapdragon 765G 5Gよりも優れていることがわかり、ゲームをそれ程利用しないという人にとっては嬉しいものとなっています。そして、Snapdragon 7シリーズの魅力はmmWave(ミリ波)に対応していることも挙げられ、Snapdragon 750G 5Gも例外ではありませんので5G通信を余すことなく活用をしたいという人にとっても利用価値のあるものとなっています。

 

Snapdragon 750G 5Gを初搭載したXiaomi Mi 10T Liteはヨーロッパ市場で販売され、RAM 6GB+内蔵ストレージ 64GBモデルが279ユーロ(約34,5000円)、6GB+128GBモデルが329ユーロ(約41,000円)と比較的安い価格を実現しています。

 

 

Source