Qualcommが2020年1月に発表したインド市場向けミドルレンジ帯SoCとなるQualcomm Snapdragon 662を初搭載したmoto g9によって、Snapdragon 662が搭載しているGPUのAdreno 610の最大周波数が明らかになりました。基本的にQualcommはGPUの周波数を明らかにしておらず、周波数を特定するにはログファイルの解析とXiaomiの公式サイトが主流で、2019年末頃からは特定の機種に限ってmotorolaが周波数を明らかにしているので、現在は3つの方法で周波数の特定がされています。
moto g9のスペックのProcessor欄には「950 MHz Adreno™ 610 GPU」という記述がありますので、最大周波数は950MHzとなります。Snapdragon 662はGPUにAdreno 610を搭載していますが、同じくAdreno 610を搭載しているSoCとしてSnapdragon 665とSnapdragon 460があり、前者のSnapdragon 665とSnapdragon 662は非常に近い関係にあるSoCとなっています。そして、Snapdragon 665のGPUの最大周波数は950MHzとなっていますので、理論上はSnapdragon 665とSnapdragon 662のGPU性能に差は全くありません。
そしてSnapdragon 665とSnapdragon 662はCPUの構成が同じで、Kryo 260(4xGold(A73)+4xSilver(A53))のオクタコア構成を採用し周波数は2.0GHz+1.8GHzとなっています。そのため、両SoCはCPUとGPU共に同じ性能を有したSoCとなっていますので、性能の観点から両SoCを比較しても何も解決しません。両SoCの主な違いとしてAI機能を有するDSPがSnapdragon 662の方がわずかに劣っている(スペック上/感じられる人は稀有)、ISPの更新によってSnapdragon 665が最大4800万画素対応でしたがSnapdragon 662では最大1億9200万画素対応、最大通信速度はSnapdragon 665が600/150Mbpsとなっている一方でSnapdragon 662は390/150Mbps、Wi-FiはSnapdragon 665がWi-Fi 5でSnapdragon 662がWi-Fi 6となっているので、完全にどちらが優れているという評価がしにくいものとなっています。
そのためSnapdragon 665搭載機とSnapdragon 662搭載機で迷った場合はディスプレイの種類や画質、RAM+内蔵ストレージ容量、カメラの性能などスマートフォンをスマートフォンとして使っていくために必要なスペックを見て決めるほうが良いと考えています。