Snapdragon 6 Gen 5のベンチマークスコアが判明、CPUがCortex-A78に退化もGPUは大幅に進化

Snapdragon 6 Gen 5のベンチマークスコアが判明、CPUがCortex-A78に退化もGPUは大幅に進化

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HONOR X80 Pro Maxが初搭載したSnapdragon 6 Gen 5のベンチマークスコアが判明しました。そのため、過去のSnapdragon 6シリーズと比較し、どの程度向上したのかを確認します。

 

今回の性能の比較にあたり、AnTuTu BenchmarkとGeekbenchで算出された性能を利用しています。前者のAnTuTuは開発元がiOSとAndroidの異なるOSでの比較ができないと発表しているので、お手持ちのiPhoneで算出された性能を比較するのはお控えください。なお、後者のGeekbenchは異なるOSでの比較が可能なので、こちらは是非とも比較してください。

 

今回の主役のSnapdragon 6 Gen 5の主な仕様は、製造プロセスがTSMCもしくはSamsungの4nmプロセス、CPUが最大2.61GHzで動作するCortex-A78と最大2.02GHzで動作するCortex-A55を4+4構成で採用、GPUは最大動作周波数が不明でAdreno 812、RAM規格はLPDDR5、内蔵ストレージ規格はUFS 3.1、モバイルデータ通信は5Gをサポートします。

 

近年では珍しく、Snapdragon 6 Gen 5は製造場所が不明です。現在のQualcommはTSMCとの結び付きが強いのでTSMCの可能性が高いといった認識が業界ではされていますが、CPUにCortex-A78とA55を採用しSnapdragon 6 Gen 3と似た仕様になっており、製造経験の有無からサムスンファウンドリで製造された可能性が捨てきれないのが現在です。確定するには、Kurnal氏やTechInsightsによる評価を待つしかありません。

 

CPUは前述の通り、Cortex-A78とCortex-A55を組み合わせており、Snapdragon 6 Gen 4が採用したCortex-A720とCortex-A520から明確に退化しました。一部メディアでは後継機なのでCortex-A720を採用しているに違いないといった安易な断定をしていましたが、答えとしてはCortex-A78に退化し、間違った情報を流しました。反省すべきです。

 

ちなみに、ArmがCortex-A720を発表したのは2023年5月で、Cortex-A78を発表したのは2020年5月のため、3世代も前に戻ってしまいました。しかもCortex-A720とCortex-A78はアーキテクチャが大幅に変わっており、前者はArmv9で後者がArmv8です。このアーキテクチャの刷新は1世代以上の差があると言われているので、少なくともCPUはかなり退化していると言えます。 (ちょっとした話としては、Cortex-A720はAArch64 Onlyですが、Cortex-A78はAArch32をサポートしていますので、古いアプリが動く利点があります)

 

GPUはAdreno 812を採用しており、Snapdragon 6 Gen 4が採用しているAdreno 810からわずかに変わったものとなりそうです。Qualcommの命名規則として数字の大きい方が性能が高くなるので、CPUとは異なってこの部分は確実に進化するでしょう。実際、同社はSnapdragon 6 Gen 5のGPU性能は1世代前のものと比較して21%の向上に成功したと発表しています。

 

Snapdragon 6 Gen 5のAnTuTu v11における性能は、CPU性能が351,662点、GPU性能が217,950点、MEM性能が213,406点、UX性能が259,406点で、総合性能が1,042,867点となりました。100万点超えを達成しており、Snapdragon 6シリーズとして平均的に100万点を超える最初のSoCとなります。

 

CPU性能に注目すると、残念なことにSnapdragon 6 Gen 5の性能はSnapdragon 6 Gen 4よりも低くなってしまいました。後継機なのに劣るといった現象が起きており、理解に苦しむ人もいるかもしれません。数値として表すと、Snapdragon 6 Gen 5のCPU性能は1世代前の約89.8%となり、これは明確に差があると言えます。

 

ただ、一つ擁護するとSnapdragon 6 Gen 4のCPU性能が高すぎたというのもあります。Snapdragon 6 Gen 4は一つ上のシリーズのSnapdragon 7s Gen 3から一部の仕様を下げたSoCなのですが、導入するのが早すぎたのではないかと思えなくもないです。CPU性能を単体で見ると、Snapdragon 6 Gen 4の異様な性能の高さがわかると思います。様々な要因があるのは理解しますが、これはQualcommの戦略ミスです。

 

GPU性能はCPU性能と異なってQualcommの発表どおりに性能向上を達成しており、同社の強みが活かせていると感じます。Snapdragon 6 Gen 5のGPU性能は1世代前のものと比較して約32.0%も向上しており、Qualcommの発表以上に性能が向上しました。3D処理をふんだんに使用する原神や鳴潮、NTEといったアプリをSnapdragon 6 Gen 4よりも快適に動かせると思います (ただし、CPU性能がネックとなり、期待以上の性能が発揮できない可能性はあり)。

 

Snapdragon 6 Gen 5のGeekbench 6での性能は、シングルコア性能が1,096点で、マルチコア性能が3,381点となりました。Geekbenchには基準点が存在しており、IntelのCorte i3-8100の性能が1,000点に設定されています。

 

シングルコア性能はSnapdragon 6 Gen 5の性能が高く算出されていますが、正直に評価すると誤差です。実際、Snapdragon 6 Gen 4を搭載した製品で1,100点を超えるときもありますので、差はほとんどないと思ってください。これが後継機として発表されている現実を知っておきましょう。

 

マルチコア性能はシングルコア性能と異なって誤差ではなく、Snapdragon 6 Gen 5に明確な優位性があります。Snapdragon 6 Gen 4で3,200点を超えるのは稀で、3,300点を超えるものは存在しませんでした。そのため、複数のアプリを同時に動かしたり、写真や動画の編集、アプリのインストールやOSのアップデートなどの比較的負荷のかかる場面で快適さに差が出るでしょう。

 

今回の比較を見るとSnapdragon 6 Gen 5の評価は難しく、一概に存在を否定するほど劣っているわけでもないけれど、存在を認めるほどのメリットもない微妙なSoC、となるでしょうか。Snapdragon 6 Gen 5を搭載していることが購入の決め手になることはなく、むしろ性能を見て購入に対して消極的になる可能性があります。

 

総合的な性能を鑑みるとSnapdragon 6 Gen 4を搭載した製品を購入したほうが満足できるでしょう。しかし、現時点で日本市場においてSnapdragon 6 Gen 4を搭載した製品は展開されておらず、Snapdragon 6 Gen 3を搭載したXperia 10 VIIやREDMI Note 15 5Gが展開されているので、それらを購入したいと考えているのであればSnapdragon 6 Gen 5を搭載した製品を待ってみてもいいかもしれません。

 

もし日本市場でSnapdragon 6 Gen 4を搭載した製品が展開されるのであれば、それを搭載した製品や企業に対して嫌悪感がないのであれば完全に買いです。リーク情報ではありますが、近くSnapdragon 6 Gen 4を搭載するNothing Phone (4b)が発表されるとの情報がありますので、お得に充分な性能を手に入れたいのであればその製品はおすすめです。

 

 

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