Samsungは次期旗艦SoCにAMD mRDNA 2 GPUを搭載したExynos 2200を開発していますが、どうやら調整に難航しているようです。というのも、CPUの周波数が異なる試作機が2種類存在しているためです。
試作機はGeekbench 5とGeekbench MLで計測しており、搭載製品は共にGalaxy S22+ 5G(SM-S906B)です。しかし、Geekbench 5の場合は最大2.59GHz、Geekbench MLは最大2.50GHzで異なっています。
2.59GHz: S906BXXU0AUI4 2.50GHz: S906BXXE0AUJ5
違和感を覚えた私は開発コードを利用しビルド番号を拝見したところ、U0とE0で異なっているのがわかりました。早期に登場する製品は同じ端末で計測することが多いため、今回の事例は極めて異例です。ちなみに“0”は試作機を表しています。
U0: Vulkan 1.2.174 E0: Vulkan 1.1.174
更にGPUの部分にも違いがあり、Vulkan APIのバージョンが異なっています。1.1.174よりも1.2.174が新しいので2.59GHzのSM-S906Bがより商用機に近いと思いますが、2.50GHzのSM-S906Bも同時期に計測されているので、開発が難航しているのではないかと考えました。
SamsungはGalaxy S21 5G、Galaxy S21+ 5G、Galaxy S21 Ultra 5Gが搭載しているExynos 2100を販売直前でGPUの周波数を調整した過去がありますので頻繁な調整は不思議なことではありませんが、初めて採用するAMD mRDNA 2 GPUはなかなかの曲者かもしれません。