TSMCに引き続きSamsung Foundryも半導体製造にかかる費用の引き上げを計画していると判明しました。
費用の引き上げ幅は、TSMCは約5%から約8%ですが、Samsung Foundryは更に高い15%から20%とされています。今回の報道に関係者は「半導体は需要が多く供給が不足しているため、業界内で価格の引き上げの雰囲気があるのは事実」と述べました。そして、Samsungは過去に事業報告書を通じて価格の引き上げをほのめかした経験があり、今回の報道は「それ」が現実になったといえます。
TSMCは最先端の技術と成熟した技術の双方で引き上げを行いますが、Samsung Foundryは不明です。最先端技術で行う場合は、同社は4nmと5nmで低すぎる歩留まりが判明しており、この状況での価格の引き上げは顧客が離れる懸念があります。
引き上げの要因として原材料の高騰が挙げられています。判明している部分としてシリコンウェハのシェア1位の信越化学工業は供給価格を昨年に20%の引き上げ、今年に10%の引き上げを行っているため、価格を維持して半導体の製造を行うのは現実的ではありません。また、ウェハの原材料のポリシリコンの価格も上昇、半導体製造工程に必要な希ガス(ネオンとクリプトン)の価格もロシアの侵攻によって価格が急騰していると伝えられています。
価格の引き上げは状況を鑑みると当然ですが、TSMCと異なってSamsung Foundryは前述の通り最先端技術の3nmと4nm、5nmの歩留まりが異常に低く、それによって顧客が離れている状況ですので、複合的な要因による価格の引き上げは泣きっ面に蜂でしょう。