QualcommがSamsung 3nmの採用計画を早期に中止した可能性が従業員が公開した情報から判明しました。
Samsung 3nmは最先端の技術なので、旗艦製品のSnapdragon 8 Gen 2やSnapdragon 8 Gen 3での採用が期待されますが、Senior Layout Engineerとして従事する従業員が公開した情報によると、計画を2021年10月に開始しましたが、わずか6ヶ月後の2022年3月に終了しています。
情報を公開した従業員の過去の計画を拝見すると、TSMC 4nmは2020年9月から2021年9月、Samsung 4nmは2019年8月から2020年9月で、最先端技術の採用計画は約1年の期間を有しますが、今回の計画は半年で終了しているため、何か問題が発生して計画を早期に中止したと考えています。
そのため、QualcommがSamsung 3nmを近い将来に採用する可能性は低く、最先端技術を要する旗艦製品の製造は台湾のTSMCが行う可能性が高いです。
Samsung 3nmは業界初のGAA(Gate-All-Around)構造を採用しますが、試作生産の段階で3GAE(3nm Gate-All-Around Early)の歩留まりが10%程度で、生産能力が著しく低いと報じられています。歩留まりが低いと報じられたSamsung 4nmを採用したSnapdragon 8 Gen 1でも35%とされているため、Samsung 3nmは試作生産での数値ですが10%程度では安定した供給が厳しいです。
現在の情報を総括すると、2022年末に発表される予定のSnapdragon 8 Gen 2はTSMC N4で製造されると考えています。TSMCはN4比で6%の性能向上が期待できるN4Pの生産を2022年の下半期に行うとの情報があるので、N4なのかN4Pなのか現状は不明ですが、少なくともTSMCでの製造は確実です。