Qualcomm、Snapdragon 888 5G QRDのベンチマーク結果を公開

Qualcomm、Snapdragon 888 5G QRDのベンチマーク結果を公開

注:当サイトは広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

Qualcommは2020年12月に発表したSnapdragon 888 5Gを搭載したQRD(Qualcomm Reference Design)で計測した複数のベンチマーク結果を12月18日(現地時間)に公開しました。

 

例年は12月に開催するQualcomm Snapdragon Tech Summitにて当該製品を搭載したQRDを配布し様々なメディアが解禁日に各種ベンチマーク結果を公開しますが、2020年は新型コロナウイルス(COVID-19)の影響によって発表会がオンラインになったためQRDを配布することが出来ないのでQualcommが自ら公開しています。また、QRDはQualcomm Reference “Device"ではなくQualcomm Reference “Design"で、名称が違うことによる不利益はありませんが正しい名称を認識して欲しいと思います。

 

QRDのスペックはその製品を搭載するのにふさわしいものになるため、そのQRDを用いて算出されるベンチマーク結果はいくつか参考になります。Snapdragon 888 5G QRDのスペックはAndroid 11、ディスプレイは120Hz 6.65インチFHD+(2340x1080)、RAM 12GB(LPDDR5)+内蔵ストレージ 512GB(UFS 3.0)、バッテリー容量は3780mAh、USBはType-C(USB 3.1 Gen2)で、高リフレッシュレートに加えて大容量RAMと内蔵ストレージとトレンドを捉えたものになっています。

 

Qualcommは7種類のベンチマークを使用し、3回連続で計測した際の平均点を記載しています。ReaMEIZUでよく使用するAnTuTu Benchmarkは最新版はv8.4.9ですがQualcommは2020年5月に公開されたv8.3.4と古いバージョンで計測し、735,439点であったことを明らかにしています。また、Geekbenchは最新版は5.2.5ですが2019年9月に公開された5.0.2で計測し、シングルコア性能は1,135点でマルチコア性能は3,794点であったことを明らかにしています。

 

今回Qualcommが公開したSnapdragon 888 5G QRDにおけるAnTuTu Benchmark v8での計測結果と、従来製品となるSnapdragon 865 5G(OPPO Find X2 Pro)、Snapdragon 865 5G QRD、HUAWEI Kirin 9000を簡単に比較します。最初は3回のSnapdragon 888 5G QRDの計測をグラフにしてみました。1回目と3回目を比較するとCPU性能は約1.5%の低下、GPU性能は約1.1%の低下となっており、一般的にベンチマークを複数回連続して行うと性能が低下しますが、Snapdragon 888 5G QRDにおいてはその性能低下幅が非常に狭いことがわかります。これが表すものとして3D処理を高負荷に使用しながら長時間のゲームが必要になるPUBG MobileやCoD Mobile、League of Legends: Wild Riftにおいて安定したパフォーマンスを発揮でき、途中でカクつきを覚えたりすることは一切ないと言えます。

 

本題のSnapdragon 888 5G QRD(最高点/1回目)とSnapdragon 865 5G、Snapdragon 865 5G QRD、HUAWEI Kirin 9000との比較ですが、Snapdragon 865 5G QRDを加えている理由としてQRDが今後も同じ性能であることを表現しているものではないことをわかりやすくするためにしています。Snapdragon 888 5G QRDはSnapdragon 865 5Gと比較してCPU性能は約5.5%、GPU性能は約43.2%の性能向上となっています。Snapdragon 888 5GはQualcomm発表ではSnapdragon 865 5Gと比較してCPU性能は25%、GPU性能は35%の性能向上との発表となっており、CPU性能はQualcommの発表どおりにはならず小さい成長幅、GPU性能は同じく発表どおりにはなっていませんが成長幅は非常に大きいです。

 

Geekbench 5における比較もしてみます。Snapdragon 888 5G QRDとSnapdragon 865 5Gを比較すると、シングルコア性能は25.4%、マルチコア性能は約16.2%の成長となっており、シングルコア性能は発表通り25%の性能向上が出来ていることが確認できます。本筋から逸れますがSnapdragon 865 5G QRDのマルチコア性能がSnapdragon 865 5Gと比べて異様に高い状態が見えますが、様々な媒体でも同様のスコアが出ているのでもしかすると何かしらの理由によって各企業が性能を抑えている可能性があります。

 

Snapdragon 888 5G QRDはSnapdragon 865 5Gから確かに成長しており、特にGPU性能は驚きを隠せないほどの成長が見えています。更に、Snapdragon 888 5GはSnapdragon 865 5Gからカメラの性能(ISP)やAIの性能が大幅に向上しており、今でも十分に綺麗な写真を撮影が出来る状態ですが、更に高画質・高品質な撮影が出来るようになっています。また大きな進化を見せたQuacomm Snapdragon、どこまで成長を続けるのでしょうか。

 

 

Source