QualcommがSnapdragon 7 Gen 4を発表、進化と退化の不思議な製品

QualcommがSnapdragon 7 Gen 4を発表、進化と退化の不思議な製品

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Qualcommは2025年5月15日、新製品としてSnapdragon 7 Gen 4を発表しました。前世代のSnapdragon 7 Gen 3は搭載機が日本市場に登場しなかったため、新たに発表されたこの製品も登場しない可能性が現時点では高いです。

 

名称 Snapdragon 7 Gen 4 Snapdragon 7 Gen 3 Snapdragon 7 Gen 1
CPU Kryo

1x Cortex-A720

4x Cortex-A720

3x Cortex-A520

Kryo

1x Cortex-A715

3x Cortex-A715

4x Cortex-A510

Kryo

1x Cortex-A710

3x Cortex-A710

4x Cortex-A510

動作周波数 2.80GHz

2.40GHz

1.84GHz

2.63GHz

2.40GHz

1.80GHz

2.52GHz / 2.40GHz

2.36GHz

1.80GHz

GPU Adreno 722 Adreno 720 Adreno 644
動作周波数 ? 975MHz 443MHz
NPU/DSP Hexagon NPU Hexagon NPU Hexagon DSP
カメラ Triple 12-bit Spectra ISP

2億画素 or 6400万画素(ZSL) or 3200万画素+2100万画素(ZSL) or 3x2100万画素

Triple 12-bit Spectra ISP

2億画素 or 6400万画素(ZSL) or 3200万画素+2100万画素(ZSL) or 3x2100万画素

Triple 14-bit Spectra ISP

2億画素 or 8400万画素(ZSL) or 6400万画素+2000万画素(ZSL) or 3x2500万画素

リフレッシュレート 144Hz (WQHD+) 60Hz (4K)

168Hz (WFHD+)

120Hz (WQHD+)

60Hz (QHD+)

144Hz (FHD+)

エンコード/デコード Encode: 4K@30fps H.265, H.264

Decode: 4K@30fps H.265, H.264, VP9, AV1

Slow-mo: 1080p@120fps

Encode: 4K@60fps H.265, H.264

Decode: 4K@60fps H.265, H.264, VP9, VP8

Slow-mo: 1080p@120fps

Encode: 4K@30fps H.265, H.264

Decode: 4K@30fps H.265, H.264, VP9, VP8

Slow-mo: 720p@480fps

RAM LPDDR5X (4200MHz) LPDDR5 (3200MHz) LPDDR5 (3200MHz)
ストレージ UFS 4.0 UFS 3.1 UFS 3.1
Wi-Fi Wi-Fi 7 (11be)

(5.8Gbps)

Wi-Fi 6/6E (11ax)

(2.9Gbps)

Wi-Fi 6/6E

(2.9Gbps)

Bluetooth Bluetooth 6.0 Bluetooth 5.4 Bluetooth 5.2
位置情報 GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo, QZSS, NavIC GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo, QZSS, NavIC GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo, QZSS, NavIC
通信 統合: 5G Modem

Sub-6GHz

(DL: 4.2Gbps)

統合: X63 5G Modem

Sub-6GHz / mmWave

(DL: 5.0Gbps)

統合: X62 5G Modem

Sub-6GHz / mmWave

(DL: 4.4Gbps)

充電規格 Quick Charge 5 Quick Charge 5 Quick Charge 4+
製造プロセス TSMC 4nm N4P TSMC 4nm N4 Samsung 4nm 4LPX
型番 SM7750-AB SM7550-AB SM7450-AB
公式サイト Qualcomm Qualcomm Qualcomm

Snapdragon 7 Gen 4の主な仕様は、製造プロセスがTSMC 4nm N4P、CPUはKryoで最大2.80GHzで動作するCortex-A720と最大2.40GHzで動作するCortex-A720と最大1.84GHzで動作するCortex-A520を1+4+3構成で採用、GPUはAdreno 722、RAM規格はLPDDR5X、内蔵ストレージ規格はUFS 4.0、モバイルデータ通信は5G NRに対応します。

 

CPUはCortex-A720とCortex-A520を組み合わせ、構成は普遍的な1+3+4ではなく1+4+3を採用しました。これにより、高効率なものよりも高性能なものが増え、より高い性能を発揮することができるようになります。

 

Qualcommによると、このSnapdragon 7 Gen 4の性能はSnapdragon 7 Gen 3と比較して、CPU性能が27%、GPU性能が30%も向上したようです。

 

この他の進化・更新点として挙げられるのは、サポートするRAM規格がLPDDR5からLPDDR5Xへ、内蔵ストレージ規格がUFS 3.1からUFS 4.0へ、Wi-Fi 7対応、Bluetooth 6.0対応などがあります。

 

しかし、残念ながら退化してしまった点があり、エンコードとデコードともに4K 60FPSから4K 30FPSに、5G NRはmmWave (ミリ波)非対応となりました。モバイルデータ通信に関してはSnapdragon 7シリーズの位置がSnapdragon 8シリーズに近いものではなく、Snapdragon 6シリーズに近いものとなりました。

 

非対応になった理由は不明ですが、世界的に見るとmmWaveを導入している国や地域が限られており、このシリーズで対応させる意義はあまりないように感じます。そのため、この非対応は致し方ない気もします。

 

Qualcommによると、Snapdragon 7 Gen 4はHonorとvivo、realmeが採用し、今月中に初搭載機が発表されるようです。

 

初搭載機として有力なのは中国市場向けのHONOR 400で、5月28日に発表されます。Honorは国際市場でもHONOR 400を発表していますが、こちらは1世代前のSnapdragon 7 Gen 3を搭載しています。

 

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