MediaTekが2022年5月に発表を計画していると伝えられている、Dimensity 9000の性能向上版がGeekbenchに登場しました。
Dimensity 9000のCPUは、3.05GHzのCortex-X2を1基、2.85GHzのCortex-A710を3基、1.8GHzのCortex-A510を4基採用した製品ですが、4月3日にGeekbenchに登場したDimensity 9000の動作周波数は3.20GHzと2.85GHz、1.8GHzに設定されており、Cortex-X2が0.15GHzも向上しています。しかし、正しく計測できていないのか、通常の製品はシングルコア性能が1,310点、マルチコア性能が4,300点を算出できますが、今回の製品は725点と1,632点を算出しました。
Custom Kernelを用いた可能性が否定できないので、開発者向けコードを利用して詳しく見てみると、計測時の動作周波数が3.05GHzを超えていないため、通常のDimensity 9000と変化した部分はありませんでした。そのため、現段階では否定できない状態ですが、搭載製品のRedmi K50 ProとOPPO Find X5 Pro DimensityはKernel Sourceが公開されていないため、この状況でCustom Kernelを開発するのは難度が高く、現段階で開発する意図も見えないので個人的にはこの仮説は否定したいです。
そして、Build項目を見るとMediaTek向けのAOSP Framework Codeを表すMSSI(MediaTek Single System Image)が記載されているので、Dimensity 9000の性能向上版を搭載した製品を利用しているのは普通の開発者ではなく採用企業の開発者だと考えており、この点からもCustom Kernelを利用した可能性を否定したいです。
そのため、MediaTekがDimensity 9000の性能向上版の発表を計画しているのは本当だと考えており、QualcommのSnapdragon 8 Gen 1 Plusに対抗する製品になるでしょう。発表は前述の通り5月を予定していると伝えられており、同じくSnapdragon 8 Gen 1 Plusも5月に発表されると伝えられているため、Android界隈にとっては大きな動きがある月になるでしょう。