昨日2020年7月28日に発表された中国のnubiaによるハイエンドスマートフォンのnubia Red Magic 5S(紅魔5S)の発表をつづった数多のメディアがある項目で間違えているのは芳しくないと思い、今回は簡単にですが訂正をしたいと思います。本当に名指ししきれないほどの多くのメディアが間違っているのに加えて、意味のない争いは控えたいのでReaMEIZUでは特定の媒体名を出すことはしません。そして、この記事を読んで読者が「○○(特定のメディア名)が間違っている」と嫌味を込めて指摘するのも控えていただきたいと思います。
nubia Red Magic 5Sは昨日中国市場向けに発表された製品で、大きな特徴としてノッチレスのベゼルレスディスプレイを採用し144Hzの高いリフレッシュレートに対応し、Qualcomm Snapdragon 865 5Gを搭載している点です。残念なことにSnapdragon 865 Plus 5Gを搭載していると記載しているメディアもあり、これはnubiaが3月に発表したnubia Red Magic 5G(紅魔5G)がSnapdragon 865 5Gを搭載しているので、nubia Red Magic 5Sはスペックが向上してSnapdragon 865 Plus 5Gを搭載していると勘違いした結果だと考えており、本当はSnapdragon 865 5Gを搭載しています。
そして、多くのメディアが間違えているのはnubia Red Magic 5Sが搭載しているSnapdragon 865 5Gについてで、nubiaはnubia Red Magic 5Sに革新的機能としてGPU BOOSTが採用されていることを発表し、Snapdragon 865 Plus 5Gと近いGPU性能を発揮することが明らかになっています。このGPU BOOSTに関して間違っているメディアが多く、GPU BOOSTが利用できるのはアクセサリーとして「紅魔氷風散熱魔盒」を利用したときに限られており、nubia Red Magic 5S単体ではGPU BOOSTを利用することが出来ません。
この「紅魔氷風散熱魔盒」を利用してGPU BOOSTをONにすると、Snapdragon 865 5Gの通常のGPU周波数の587MHzからSnapdragon 865 Plus 5Gと同じ670MHzへオーバークロックが施され、nubia Red Magic 5SはSnapdragon 865 Plus 5Gと同じGPU性能を有することが出来ます。ただあくまでもSnapdragon 865 Plus 5Gの同じ性能になるのはGPU性能だけで、CPUはオーバークロックされていませんのでこの点にも注意が必要です。
Snapdragon 865 Plus 5G | Snapdragon 865 5G(GPU BOOST) | Snapdragon 865 5G | |
CPU | 1xA77+3xA77+4xA55 | 1xA77+3xA77+4xA55 | 1xA77+3xA77+4xA55 |
周波数 | 3.1GHz+2.42GHz+1.80GHz | 2.84GHz+2.42GHz+1.80GHz | 2.84GHz+2.42GHz+1.80GHz |
GPU | Adreno 650 | Adreno 650 | Adreno 650 |
周波数 | 670MHz | 670MHz | 587MHz |
そのため、Snapdragon 865 Plus 5GとSnapdragon 865 5G(GPU BOOST)、Snapdragon 865 5GのCPUとGPUのスペックを表記すると上の表になります。Snapdragon 865 5G(GPU BOOST)のCPU性能はSnapdragon 865 5Gと同じ、GPU性能はSnapdragon 865 Plus 5Gと同じで、ちょうど中間に位置するものとなります。先程も言いましたとおりGPU BOOSTは「紅魔氷風散熱魔盒」を利用することで初めて使用できる機能なので、nubia Red Magic 5S単体でベンチマークを計測した場合はSnapdragon 865 5Gのスコアと同水準となります。おそらく日本でもnubia Red Magic 5Sを購入しレビューする人が現れると思いますが、読者は「紅魔氷風散熱魔盒」が利用されているのかされていないのかに注目してレビュー記事を見る必要があります。
これが「紅魔氷風散熱魔盒」ですが、ASUS ROG Phone 3のアクセサリーとは異なってこちらは装着するだけではこのファンは回らずUSB Type-Cケーブルを挿入することでファンが回り始め、GPU BOOSTを利用できるようになります。