中国のHuaweiは2026年8月5日に新製品発表会を開催し、Kirin X90からKirin X90 Plusに換装した新しいHUAWEI MateBook Fold ULTIMATE DESIGNとKirin XE90を搭載したHUAWEI MateBook Pro S、Kirin X90からX90 Plusに換装した新しいHUAWEI MateBook Proを発表しました。この発表によってKirin X90 PlusとXE90が登場したため、わかっている範囲で情報をまとめます。
なお、Kirin X90 PlusとXE90の存在自体は7月29日にメディア向けに開催されたイベントで明かされています。ただ、一般の消費者向けとしては8月5日に開催された発表会が初めてとなる上に、メディア向けのイベントでは新しいKirinの存在を明かしつつも搭載製品を明らかにしなかったので、この発表会で初登場と言えそうです。
| 名称 | Kirin X90 Plus | Kirin X90 | Kirin X90A |
| CPU | 4x TaiShan-Big
4x TaiShan-SemiBig 2x TaiShan-Middle (10 Cores / 20 Threads) (L3 Cache: 16MB) |
4x TaiShan-Big
4x TaiShan-SemiBig 2x TaiShan-Middle (10 Cores / 20 Threads) (L3 Cache: 16MB) |
3x TaiShan-Big
3x TaiShan-SemiBig 2x TaiShan-Middle (8 Cores / 16 Threads) (L3 Cache: 16MB) |
| 識別子 | 72_3331
72_3395 72_3394 |
72_3331
72_3395 72_3394 |
72_3331
72_3395 72_3394 |
| リビジョン | r2p0
? ? |
r2p0
r2p0 r2p3 |
r2p0
r2p0 r2p3 |
| 動作周波数 | 2.45GHz
2.01GHz 2.05GHz |
2.32GHz
2.01GHz 2.05GHz |
2.07GHz
1.85GHz 1.80GHz |
| GPU | Maleoon 916 6CU | Maleoon 916 6CU | Maleoon 916B 4CU |
| 動作周波数 | 950MHz | 950MHz | 950MHz |
| NPU/DSP | Ascend NPU
2x Lite |
Ascend NPU
2x Lite |
Ascend NPU |
| カメラ | Kirin ISP 7.0 | Kirin ISP 7.0 | Kirin ISP 7.0 |
| リフレッシュレート | ? | ? | ? |
| エンコード/デコード | ? | ? | ? |
| RAM | 4x16-bit LPDDR5 (3200MHz)
(System Level Cache: 8MB) |
4x16-bit LPDDR5 (3200MHz)
(System Level Cache: 8MB) |
4x16-bit LPDDR5 (3200MHz)
(System Level Cache: 8MB) |
| ストレージ | NVMe PCIe SSD | NVMe PCIe SSD | NVMe PCIe SSD |
| USB | USB 3.2 Gen 1 | USB 3.2 Gen 1 | USB 3.1 Gen 1 |
| Wi-Fi | Wi-Fi 6 (11ax) | Wi-Fi 7 (11be) | Wi-Fi 7 (11be) |
| Bluetooth | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 6.0 | Bluetooth 5.2 |
| NearLink | NearLink E1.0 | NearLink E1.0 | NearLink E1.0 |
| 位置情報 | - | - | - |
| 通信 | - | - | - |
| 充電規格 | HUAWEI SuperCharge | HUAWEI SuperCharge | HUAWEI SuperCharge |
| 製造プロセス | SMIC 7nm N+2 | SMIC 7nm N+2 | SMIC 7nm N+2 |
| 型番 | ? | Hi9600-GFCV100-CN | ? |
| 公式サイト | - | - | - |
新たに登場したKirin X90 Plusの主な仕様は、製造プロセスがSMIC 7nm N+2、CPUが最大2.45GHzで動作するTaiShan-Bigと最大2.01GHzで動作するTaiShan-SemiBigと最大2.05GHzで動作するTaiShan-Middleを4+4+2構成で採用、GPUは最大950MHzで動作するMaleoon 916 6CU、RAM規格はLPDDR5、内蔵ストレージ規格はNVMe PCIe SSD、モバイルデータ通信は非対応です。
Kirin X90の登場から1年が経過したのでKirin X90 Plusには大きな期待がかかっていましたが、蓋を開けてみると残念ながらただのオーバークロック版でした。詳細な情報はダイショットを確認する必要がありますが、現時点でわかっている情報はTaiShan-Bigが最大2.32GHzから最大2.45GHzに上昇しただけで正直な感想としては期待外れです。
Kirin X90 PlusはPC向けなのでTDP (熱設計電力)が発表されており、Huaweiは28Wとしています。この数値は持ち運びを想定しているモバイルデバイス向けとしては通常で、特別高くもなく低くもなくちょうどよいです。OSがWindowsやLinuxになりますが、IntelのCore Ultra 7 265HやAMDのRyzen AI 7 445もTDPが28Wに設定されています。
HuaweiはHarmonyOS 6.1を搭載したKirin X90 Plus版の新しいHUAWEI MateBook Fold ULTIMATE DESIGNの総合性能が、HarmonyOS 5.0を搭載したKirin X90版のHUAWEI MateBook Fold ULTIMATE DESIGNから25%上がったと報告しています。この数値はOSの改善や最適化が含まれており、実際のところはオーバークロックしただけなので10%程度の向上ではないかと考えています。
Kirin X90 Plusを初搭載する新しいHUAWEI MateBook Fold ULTIMATE DESIGNの価格は、24GB+512GBモデルが24999元 (約587,000円)、24GB+1TBモデルが26999元 (約634,000円)、32GB+2TBモデルが29999元 (約704,500円)に設定されています。非常に高価ですが、Huaweiの製品であることに加えてフォルダブル製品ということを考慮すると一概におかしいとは言えないのが現実です。
発売は2026年8月14日を予定しており、現時点では中国市場向けのみに展開します。昨年のKirin X90を搭載したHUAWEI MateBook Fold ULTIMATE DESIGNも中国市場のみで展開されましたが、Huaweiがヨーロッパ市場やマレーシア市場での市場開拓を行っている様子が見られるので、限りなく低い可能性ですがKirin X90 Plus版は国際市場で展開される可能性があります。
| 名称 | Kirin X90 Plus | Kirin XE90 |
| CPU | 4x TaiShan-Big
4x TaiShan-SemiBig 2x TaiShan-Middle (10 Cores / 20 Threads) (L3 Cache: 16MB) |
1x TaiShan-Big
4x TaiShan-Middle 4x TaiShan-Little (9 Cores / 14 Threads) (L3 Cache: 12MB) |
| 識別子 | 72_3331
72_3395 72_3394 |
72_3334
72_3399 72_3363 |
| リビジョン | r2p0
? ? |
r2p0
? ? |
| 動作周波数 | 2.45GHz
2.01GHz 2.05GHz |
2.75GHz
2.27GHz 1.72GHz |
| GPU | Maleoon 916 6CU | Maleoon 935 6CU |
| 動作周波数 | 950MHz | 933MHz |
| NPU/DSP | Ascend NPU
2x Lite |
Ascend NPU
1x Lite 2x Tiny |
| カメラ | Kirin ISP 7.0 | Kirin ISP 9.0 |
| リフレッシュレート | ? | ? |
| エンコード/デコード | ? | ? |
| RAM | 4x16-bit LPDDR5 (3200MHz)
(System Level Cache: 8MB) |
4x16-bit LPDDR5X (4266MHz)
(System Level Cache: 12MB) |
| ストレージ | NVMe PCIe SSD | NVMe PCIe SSD |
| USB | USB 3.2 Gen 1 | USB 3.2 Gen 1 |
| Wi-Fi | Wi-Fi 6 (11ax) | Wi-Fi 7 (11be) |
| Bluetooth | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 6.0 |
| NearLink | NearLink E1.0 | - |
| 位置情報 | - | - |
| 通信 | - | - |
| 充電規格 | HUAWEI SuperCharge | HUAWEI SuperCharge |
| 製造プロセス | SMIC 7nm N+2 | SMIC 7nm N+3 |
| 型番 | ? | ? |
| 公式サイト | - | - |
Kirin X90 Plusと同時に登場したKirin XE90の主な仕様は、製造プロセスがSMIC 7nm N+3、CPUが最大2.75GHzで動作するTaiShan-Bigと最大2.27GHzで動作するTaiShan-Middleと最大1.72GHzで動作するTaiShan-Littleを1+4+4構成で採用、GPUは最大933MHzで動作するMaleoon 935 6CU、RAM規格はLPDDR5X、内蔵ストレージ規格はNVMe PCIe SSD、モバイルデータ通信は非対応です。
Kirin X90の「X」と「90」の間に「E」があるので、結果として効率性を高めたKirin X90のアンダークロック版ではないかと予想されていましたが、答えはHUAWEI Mate 80 Proシリーズが初搭載したKirin 9030 Proからモデムを無効化したT93 Proのリネーム版でした。Kirin X90 Plusと同じくダイショットを見るまでは完全に同じものと言うことは出来ませんが、判明している仕様を見ると全く同じなのでリネーム版と結論づけても問題ないでしょう。
性能に関する記載の前にCPUについて記載すると、Kirin X90シリーズが採用しているTaiShan-Bigは、2024年4月に発表されたHUAWEI Pura 70シリーズが搭載したKirin 9010のものと同じです。そして、HuaweiはKirin 9010の後継としてKirin 9020、その次の後継としてKirin 9030を発表していますので、Kirin X90のTaiShan-Bigは実質的に2世代古くなっています。それを考慮すると、Kirin X90 PlusのTaiShan-Bigの性能が自ずとわかってくるでしょう。
Huaweiによると、新登場のKirin XE90の性能はKirin X90と比較して、シングルコア性能が23%、電力効率が25%、NPUの性能が40%高いと発表されています。間にある「E」に引っ張られて「効率性が高いだけ」と考えてしまいがちですが、実はKirin XE90はKirin X90よりも性能が高いです。
ただ、マルチコア性能に関してはKirin X90の方が高く、Geekbench 6での性能になりますがKirin XE90は約4,500点ですが、Kirin X90は約8,500点と圧倒的な差があります。この差が発生するのはTaiShan-SemiBigを採用していることと、TaiShan-Littleを採用していないことが関係しており、元々PC向けに作られていたのとスマートフォンやタブレット向けに開発されていたことの設計の違いが関係しているでしょう。
Kirin XE90を初搭載したHUAWEI MateBook Pro Sの価格は、16GB+512GBモデルが7999元 (約188,000円)、24GB+512GBモデルが8999元 (約211,500円)、24GB+1TBモデルが10499元 (約246,500円)に設定されています。また、アンチグレア加工が施されたHUAWEI MateBook S Pro 柔光版も準備しており、24GB+512GBモデルが9999元 (約235,000円)に設定されています。
また、プライバシーディスプレイになっている防窺版、特殊な加工が施されている典蔵版を準備しており、前者の24GB+512GBモデルが10299元 (約242,000円)、24GB+1TBモデルが11799元 (約277,000円)で、後者の32GB+1TBモデルが14999元 (約352,000円)に設定されています。
発売はHUAWEI MateBook Fold ULTIMATE DESIGNと同じく2026年8月14日となっています。こちらも中国市場専売で、HuaweiはHarmonyOSを搭載したPCを国際市場に展開したことがないので、こちらが国際市場に展開されるのは現時点では望み薄です。欲しい方は個人輸入をする必要があります。
そして、同時にKirin X90からKirin X90 Plusに換装した新しいHUAWEI MateBook Proも発表しており、価格は24GB+512GBモデルが9999元 (約235,000円)、24GB+1TBモデルが11499元 (約270,000円)で、アンチグレア加工の柔光版の24GB+1TBモデルが12499元 (約293,500円)、32GB+1TBモデルが13999元 (約329,000円)に設定されています。
こちらも2026年8月14日より中国市場専売で発売します。HUAWEI MateBook Pro Sと同じく国際市場での展開は望み薄なので、どうしても欲しい方は個人輸入をする必要があります。









