Meizu 17 Review - A New Era

Meizu 17 Review - A New Era

2020年7月12日
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Meizu初の5G通信対応機種として発表されたMeizu 17とMeizu 17 Proの前者となるMeizu 17(RAM 8GB + 内蔵ストレージ 128GB/AGドリームユニコーン)を入手しましたのでレビューを行います。

注意点としてMeizu 17自体は5G通信に対応していますが、筆者が5G通信に対応したSIMカードを所持していませんので、Meizu 17が日本で5G通信の利用できるかという点においてはレビューしておりません。ご了承ください。

 

Meizu 17の箱は黒を基調とした長方形で、内容物はMeizu 17本体、USB Type-Cケーブル(Standard-A to Type-C)、ACアダプター(US規格)、保証書兼説明書、SIMピンとなっています。Meizu 17はイヤホンジャックがない機種ですが、それに対応した変換アダプターは同梱されておらず、その理由としてMeizuは別の製品としてDACが内蔵されているアダプターを2製品発表しているためです。

 

付属しているACアダプターはUP1030でこの製品はMeizu 17のみに付属しており、対応している出力は5V/3Aの15Wと10V/3Aの30Wとなっています。

 

Meizu 17の大きな特徴は横に並んだカメラ配置で、昨今の流行りは左上に縦だったりスクエアに並べられていますが、Meizuはその流行には乗らないデザインを採用しています。

 

SIMカードは本体下部に挿れるようになっており、裏表でnanoSIMを2枚挿れることが出来ます。外部SDカードには非対応です。

 

重量はSIMカードを入れていない状態で202gで、Meizu 16sが165g(公称)でしたので、1世代進化して40g近く重くなっていることになります。ただ、この重量の理由としてバッテリー容量の巨大化が挙げられ、Meizu 16sは3600mAhですがMeizu 17は4500mAhとなっていますので、重くなってしまうのは致し方ないかと思います。このあたりはバッテリーに関する革命が起こらない限りは重量が増える未来が待っているでしょう。

 

Meizu 17のAGドリームユニコーンは絶滅危惧種ともなっている白ベゼルを採用しており、見ているだけで惚れ惚れします。ノッチが流行ってからは黒ベゼルが主流になり、パンチホールの時期に至っては白ベゼルが存在しなくなったので、Meizuがパンチホールデザインを採用すると聞いた時は白ベゼルが無くなるのではないかと考えていましたが、そのこだわりは続いて残ることとなっています。

 

Meizu 17の大きな特徴としてパンチホールデザインを採用したことが挙げられます。Meizuと言えばCEOの黄章(Jack Wong)氏が大のノッチ嫌いとして有名で、大くの競合他社がノッチデザインを採用したスマートフォンを発表してもMeizuは頑なにノッチレスベゼルレスデザインにこだわりを持ち続けていました。しかし、パンチホール元年とも言える2020年の製品となるMeizu 17にはパンチホールデザインが採用されています。この件に関してMeizuは製品の発表会で第3世代のフルディスプレイデザインと称し好意的に捉えており、闇雲にパンチホールを採用するのではなく「位置を重要視し、人が何かを見るときに“Z”の方向(Zの法則)に視線が動くと言われており、その場合左上に配置されていると一番最初に目につくのがパンチホールとなりますので邪魔な位置と言えます。更に、ウェブデザインにおいては“F”の方向(Fの法則)に視線が動くようですがこれもスタートは左上のため、全く同じことが言えます。そのため、一番視線や視界の邪魔にならない右上に置くことで干渉する回数を大幅に減らしています。

 

更にパンチホール有効的に使用でき、バッテリーの残量を表すリング(Power ring)としても利用できます。このリングだけの表示にすることも可能で、ステータスバーの利用領域を大幅に減らすことが出来ます。

 

ディスプレイは発表時は90Hzのリフレッシュレートに対応していると謳われましたが、最新のアップデートで更に高い120Hzのリフレッシュレートに対応しています。60Hzから90Hzの違いは一目瞭然で、更に90Hzから120Hzの違いもわかりやすいです。ただ120Hzは暫定対応という形が取られており、リフレッシュレートを変更する正式な設定項目には存在せずFlyme laboratoryという実験的を表すところから設定することが出来ます。

 

Dual WLAN accelerationという項目では5GHz帯と2.4GHz帯のWi-Fiを同時に接続することでより早い回線速度を実現することが可能になっており、この利用は自宅と限られていますがストレスフリーな使用ができるようになります。(実はWi-Fi 6にも対応していますが、筆者がWi-Fi 6対応ルーターを持っていないため評価ができません。)

 

対応言語は簡体中文、繁體中文、繁體中文(香港)、Englishの4つ。AliExpressにて開店しているMEIZU Official Storeには次回のアップデートでロシア語をサポートするという記載がありますので、徐々に対応言語が増えていくと考えています。ただ日本語に関しては難しいと考えており、morelocale2などを利用してシステム言語を日本語にすることは可能ですが、設定項目は日本語になりませんので不自由が強いられるものとなるでしょう。

 

Meizu 17はアナログ出力に対応しておらず、AliExpressで格安に販売されているOnePlus Type-C to 3.5mm Adapterを利用しても音楽を聞くことは出来ません。現状ではアナログ出力に対応しないという規則はなく企業が選べるものになっており、この出力に対応していないのは付属品として変換アダプターは同梱されていないのと同じで、MeizuがDACを内蔵したアダプターを販売しているからだと考えています。

 

Meizu 17に搭載されているFlyme OSはAndroid 10をベースとしたFlyme 8.1で、2020年7月現在でもAndroid 11は正式にリリースしていない状態なので最新のAndroid OSが搭載されています。Flyme OSはどのAndroid OSでも基本的に同じ機能が使えるようになっていますのでAndroid 10である理由はないのですが、やはりAndroid OSを利用している企業としては最新のOSを搭載しているというのは重要で、Meizu 17はその重要視されている部分をしっかりとクリアしています。更に、セキュリティパッチレベルも2020年6月1日と完全に新しいものではないものの、アップデートするべきところはしているといった動きが見えます。

 

AnTuTu Benchmark v8では587,102点、Geekbench v5.2.0ではシングルコア性能が925点・マルチコア性能が2,907点でSnapdragon 865 5Gの平均的な性能を発揮し、AndroBenchでは読み込み速度が1674.96MB/sで書き込み速度が737.53MB/sでUFS 3.1の平均的な性能を発揮しています。AnTuTu Benchmark v8でMEM性能が10万点を超えなかったのはRAMにLPDDR4X規格を採用している点で、これは上位モデルとしてMeizu 17 Proが存在しこちらはLPDDR5を搭載しているので差別化を図っていると考えています。

 

Meizu 17はWidevine L3となっており、「Netflix」やAmazonの「Prime Video」等を含む多くの動画ストリーミングサービスでHD画質で動画を見ることが出来ません。HDR10+に対応しているのでこの点は非常にもったいなく、早急に改善してほしいと思います。

 

カメラはメインカメラが6400万画素のSONY IMX686(f/1.8)を採用しており、高品質かつ鮮彩な撮影をすることが出来ます。

 

超広角カメラは800万画素のSamsung S5K4H7(f/2.2)を採用し撮影できる角度は118度で、昨今は高解像度化が進んでいるので800万画素と聞いて物足りなさを覚える人もいるかも知れませんが、十分に良い撮影ができていると感じます。

 

マクロカメラは500万画素のSamsung S5K5E9(f/1.9)を採用し、非常に繊細な撮影ができます。旧世代のスマートフォンはメインカメラを無理やりマクロカメラに最適化するといった手法が取られていましたが、今回はマクロ撮影に特化したカメラということで無限の可能性を感じます。新たな撮影の楽しみが増えた瞬間でした。

 

私が完璧主義が故にいつも何かしらの欠点が見つかるMeizuのスマートフォンですが、今回のMeizu 17に関しては欠点はあるのでしょうがそれを許容できるもので溢れていると感じます。もちろん日本語に非対応という点は明らかな欠点ですが、それは今に始まったことではなくその事実はReaMEIZUだけではなく他の媒体やSNSで叫ばれていることですので、あえてMeizu 17の欠点に挙げるほどではないと考えています。

そして、Meizu 16sのレビュー時にはUSB Type-C to イヤホンジャック変換アダプターが同梱されていないという点を欠点に挙げましたが、2020年においては多くのBluetoothイヤホンが増え有線で視聴するというのは減ってきていると感じているので、これもMeizu 17の欠点にはなりえないと考えています。同梱されていればプラスの評価ができますが、同梱されていないという点でマイナスにするほどでもないといった感じです。

 

急に評価が甘くなったと思われるかもしれませんが、それに対して私は否定はしません。しかし、今回のMeizu 17は新しい取り組みとなるパンチホールデザインの採用、パンチホールを有効的に利用できる機能、理論に基づいたパンチホールの位置、90Hz・120Hzの高いリフレッシュレート対応、6400万画素の高品質・繊細な撮影が可能なカメラ、絶滅危惧種となる白ベゼルといった利点やメリットにあふれており、それを評価しないほうが私はMeizu 17という製品に対して失礼だと考えています。

今回のMeizu 17は魅力に溢れた製品で、もちろん普遍的に誰にでもおすすめできるかと言われたら「それは違う」と応えますが、ある程度の知識がある人であれば満足できるスマートフォンではないかと考えています。Meizu 17はMEIZUはAliExpressにて公式に開店しているMEIZU Official Storeで購入することが出来ます。

Meizu 17

約60,000円
8.3

デザイン

8.5/10

ハードウェア

8.0/10

ソフトウェア

7.5/10

パフォーマンス

9.0/10

ディスプレイ

9.0/10

カメラ

8.0/10

バッテリーライフ

7.5/10

全体的な満足度

8.5/10

良い点

  • 理論に基づいたパンチホールデザイン
  • Snapdragon 865 5G搭載
  • デュアルスピーカー
  • 高品質な撮影
  • Wi-Fi 6対応

悪い点

  • 日本語非対応
  • LPDDR4X RAM搭載
  • プッシュ通知が多い
  • 重い
  • 英語にしても中国語が残っている