MediaTek Helio G95、Helio G90T、Helio G85、Helio G80、Helio G70を比較

MediaTek Helio G95、Helio G90T、Helio G85、Helio G80、Helio G70を比較

2020年9月15日
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MediaTek Helio G95を搭載したrealme 7の先行レビューが行われ、主要なベンチマークソフトのAnTuTu Benchmark v8とGeekbench v5のスコアが明らかになりました。

 

そのため同じHelio Gシリーズに属するHelio G90T、Helio G85、Helio G80、Helio G70と簡単に比較したいと思いますが、今回の比較は実使用感に関するソフトウェアの安定度や通信の安定性、ゲーム体験やバッテリーの持ちは考慮していません。そして、Helio G90という製品がありますが、発表から現在まで1年ほど経っていますが搭載機は有りません。

 

Helio G95のスペックはTSMC製12nm FinFET製造プロセス、CPUは2xCortex-A76+6xCortex-A55のオクタコア構成で周波数は2.05GHz+2.0GHz、GPUはMali-G76 MC4 @900MHz、RAM規格はLPDDR4Xに対応し、最大通信速度は下りが600Mbpsで上りが150Mbpsとなっています。

 

Helio G90Tとの違いはGPUの周波数で、Helio G95は900MHz、Helio G90Tは800MHzとなっています。

 

Helio G95のAnTuTu Benchmark v8スコアはCPU性能が95,604点、GPU性能が86,677点、MEM性能が57,020点、UX性能が52,196点で総合性能は292,397点という結果になりました。

 

realmeは発表会でrealme 7のAnTuTu Benchmark v8スコアは302,716点だと発表していますが、これはよくあるラボスコア(実験室性能)と呼ばれるものだと考えています。ラボスコアというのは通常ではありえない設定で計測したスコアを表し、例えばアプリを限りなく少なくした状態、室温がスマートフォンにおける適温でなおかつ冷却ファンが装着されていないにせよ風が当たる状態に設置されているなど、実際にユーザーが計測するときには考えられない状況で計測したものです。

 

AnTuTu Benchmark v8はRAM容量や内蔵ストレージの容量、リフレッシュレートによってMEM性能とUX性能が変動するのでSoCそのもののパフォーマンスを比較するのに適しているCPU性能とGPU性能を抽出し、CPU性能とGPU性能を合算したものを新たなスコアとして算出しています。

 

これを見るとHelio G95とHelio G90TではGPU性能に正しく差が生まれており、名称と性能が一致する製品となっていますので消費者の我々にとって非常にわかりやすいものとなっています。Helio G85がHelio G80と比較して数値が低くなっていますが、誤差の範囲に収めても大丈夫だと思います。

 

Helio G95とHelio G90TはHelio G85とHelio G80とHelio G70と比較すると大きな差が有り、これはCPUにCortex-A76を採用していることとGPUにMali-G76を採用していることが挙げられます。

 

特にGPUのMali-G76はハイエンド向けSoCが搭載するGPU IPで、HUAWEI Kirin 990/990 5GやSamsung Exynos 9820/9825が採用しています。ハイエンドSoCと比較してHelio G95とHelio G90Tのコア数は圧倒的に少ないですがMali-G76自体が性能の良いものですので、コア数が少なくてもミドルレンジの枠組みでは優秀な性能を誇ります。

 

Helio G95のGeekbench v5のスコアはシングルコア性能が504点、マルチコア性能が1,655点で同じCPUと周波数を採用しているHelio G90Tと差はほぼありません。スペック表にも記してあるとおりHelio G95とHelio G90Tの違いはGPUの周波数だけなので差が出ないのは当然です。

 

 

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