Apple A14 Bionicを発表、世界初5nm製造プロセス採用商用SoC

Apple A14 Bionicを発表、世界初5nm製造プロセス採用商用SoC

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Appleは日本時間2020年9月16日に開催したApple Event — September 15にて新しいSoCとなるApple A14 Bionicを発表しました。

 

“Bionic”という名称は2017年に発表されたiPhone 8/8 PlusやiPhone Xが搭載しているApple A11 Bionicから使用を開始し、iPhone XR/XS/XS Maxが搭載しているApple A12 Bionic、iPhone 11/11 Pro/11 Pro Max/SE(第二世代)が搭載しているApple A13 Bionicと続いています。今回発表したApple A14 BionicはApple A13 Bionicの後継SoCとなります。

 

Apple A14 Bionicの大きな特徴は台湾TSMC製5nm FinFET(EUV)を採用した世界初の商用SoCとなっている点で、競合他社のHUAWEI傘下HiSiliconやQualcomm、Samsungも今の所採用製品が出ていないのでAppleが業界トップに立っています。製造プロセスを微細化する利点として性能向上と消費電力を減らす事が挙げられており、微細化されることは素直に喜びましょう。

 

ちなみに過去のApple A SoCはApple A4が45nm、Apple A6が32nm、Apple A7が28nm、Apple A8が20nm、Apple A9が16nm(TSMC)、Apple A10Xが10nm、Apple A13 Bionicが7nmとなっています。Apple A9はSamsung製とTSMC製が混在していることで話題になりましたが、16nmはTSMC製で14nmはSamsung製です。

 

トランジスター数は118億でApple A13 Bionicが85億だったため、約39%もの集積数を向上させています。

 

CPUは6コア(ヘキサコア)構成を採用し、高性能なパフォーマンスコア(Firestorm)を2コア+省電力に優れた省電力コア(Icestorm)を4コアとなっています。Appleの発表では40%の性能向上に成功しています。

 

GPUは新しい世代のアーキテクチャーを採用し4コアとなっています。ちなみにApple A12 BionicとApple A13 Bionicも4コア構成を採用しているため、Appleにとって性能と省電力性のバランスが取れているコア数が4コアだと考えているのでしょう。こちらはAppleの発表で30%の性能向上が出来ていると謳われています。

 

ただ注意点としてApple A14 BionicのCPU性能が40%、GPU性能が30%の性能向上はApple A13 BionicではなくApple A12 Bionicと比較したものなので、実際にApple A14 BionicはApple A13 Bionicと比較してCPU性能は約16%でGPU性能は約8.6%の成長となります。成長していることは間違いのない事実ですが、既にApple A13 Bionicを搭載したApple製品が存在しているため、あまり良くない発表を行っている印象を受けます。しかし、今回の発表会は「iPad Air(第4世代)に搭載されているApple A14 Bionic」を発表しており、iPad Air(第3世代)はApple A12 Bionicを搭載しているので発表そのものに何も間違いはありませんが何か釈然としない人はいると思います。ちなみにApple A13 BionicはApple A12 BionicからCPU性能は20%、GPU性能は20%の性能向上に成功しているため、成長の幅は少しですが小さくなっています。

 

Neural Engineは新しい世代で16コアを採用。Apple A13 Bionicは8コアだったため倍になっています。

 

日本時間9月16日に開催されたApple EventではApple A14 Bionicの搭載機はiPad Air(第4世代)が初搭載機として発表されていますが、Appleの主力製品となるiPhoneの新モデルiPhone 12シリーズにも搭載される見込みで、現在のリークではiPhone 12とiPhone 12 MaxとiPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Maxの4機種が予想されています。

 

 

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