MediaTekは2022年5月23日に新製品としてHelio G99を発表しました。DimensityではなくHelioを冠するため、5Gに非対応な4Gに対応した製品です。
Helio G99はHelio G9xの最後の名称なので、後継製品は新たな命名規則を採用すると考えています。ただ、今回の製品はHelio G96の後継製品なのでG97とG98が空き番号になっており、今後Helio G9xが発表されないとは言い切れません。
名称 | Helio G99 | Helio G96 |
CPU | 2xA76+6xA55 | 2xA76+6xA55 |
動作周波数 | 2.2GHz+2.0GHz | 2.05GHz+2.0GHz |
GPU | Mali-G57 MC2
HyperEngine 2.0 |
Mali-G57 MC2
HyperEngine 2.0 Lite |
動作周波数 | ? | 840MHz |
NPU/DSP | ? | ? |
カメラ | 1億800万画素 or 3200万画素(ZSL) or 2x1600万画素(ZSL) | 1億800万画素 or 3200万画素(ZSL) or 2x1600万画素(ZSL) |
リフレッシュレート | 120Hz(FHD+) | 120Hz(FHD+) |
エンコード/デコード | Encode: 2K@30FPS H.265
Decode: 2K@30FPS H.265, VP9 |
Encode: 2K@30FPS H.265
Decode: 2K@30FPS H.265, VP9 |
RAM | LPDDR4X(2133MHz) | LPDDR4X(2133MHz) |
ストレージ | UFS 2.2 | UFS 2.2
eMMC 5.1 |
Wi-Fi | Wi-Fi 5 | Wi-Fi 5 |
Bluetooth | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.2 |
位置情報 | GPS, QZSS, Galileo, BeiDou, NavIC | GPS, QZSS, Galileo, BeiDou, NavIC |
通信 | LTE Cat.12/13 | LTE Cat.12/13 |
充電規格 | ? | ? |
プロセス技術 | TSMC 6nm(N6) | TSMC 12nm(12FFC) |
型番 | ? | MT6781 |
同日に発表されたDimensity 930とDimensity 920の関係は疑問符が浮かびましたが、Helio G99とHelio G96の関係はわかりやすく後継製品に仕上がっており、さまざまな部分で性能の向上が見受けられます。
CPUはCortex-A76とCortex-A55構成を共通して採用していますが、高性能側の動作周波数が2.05GHzから2.2GHzへ向上しました。これにより、CPUの性能が向上するのは確定で、Helio G96は4G対応製品で最高級の性能を有していたため、Helio G99は頂点に立つ可能性があります。
GPUはMali-G57 MC2を共通して採用。動作周波数が不明ですが、ゲーム利用時の最適化を行うHyperEngineが2.0 Liteから2.0へ変更されているため、動作周波数が向上した可能性があります。
RAM規格や通信、位置情報はHelio G96と共通ですが、プロセス技術が12nmから6nmへ微細化されたため、高性能化と省電力性の向上に期待がかかります。TSMC 12FFCは2017年に量産を開始した技術なので2022年の現在は古い技術ですが、TSMC N6は2020年に量産を開始し、主な製品としてDimensity 1300やSnapdragon 778G 5Gが採用しているので、ほぼ最新の技術を採用しています。
MediaTekはHelio G99を搭載した製品が2022年Q3(7月-9月)に発表されると明らかにしていますが、初搭載する企業や採用する企業は明らかにしていません。