【AnTuTu Benchmark v8】Huawei Kirin 810のパフォーマンスモードと非パフォーマンスモードの違い

【AnTuTu Benchmark v8】Huawei Kirin 810のパフォーマンスモードと非パフォーマンスモードの違い

注:当サイトは広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

Huawei傘下のHiSiliconが開発した7nm FinFET製造プロセスのHuawei Kirin 810におけるパフォーマンスモードと非パフォーマンスモードの違いをAnTuTuが開発提供しているAnTuTu Benchmark v8で簡単に比較を行いたいと思います。

今現在、Google PlayストアではAnTuTu Benchmark v7が公開されていますが、中国市場向けAnTuTu公式サイトではAnTuTu Benchmark v8が正式に公開されています。今回はその最新バージョンとなるAnTuTu Benchmark v8を用いて比較を行いますが、あくまでもベンチマークが算出した数値となりますので実使用感の考察は数値によるものであることをご容赦ください。

比較に使用したスマートフォンはHuawei Honor 9X(6GB+128GB)モデル、AnTuTu Benchmark v8ではRAMと内蔵ストレージ容量の大きいほうがスコアが高くなるように調整されています。

 

Huawei Honor 9Xに搭載されているHuawei Kirin 810のスペックは、2コアのARM Cortex-A76と6コアのARM Cortex-A55のオクタコア構成でクロック数が2.27GHzと1.88GHzに設定されています。GPUはARM Mali-G52 MP6でクロック数は820MHzに設定されています。

大きな特徴としてミドルレンジ市場においては他の追随を許さない製造プロセスで、7nm FinFET製造プロセスを採用しています。これはフラッグシップモデル向けのHuawei Kirin 980やQualcomm Snapdragon 855、Apple A12 Bionicと同じ製造プロセスを採用しています。

 

Kirin 810(PM)の“PM”はパフォーマンスモード(Performance Mode)を表していて、“PM”の無い方は通常の状態を表しています。総合性能ではKirin 810(PM)が301,937点でKirin 810が288,806点で“パフォーマンスモード”の名の通りしっかりと性能に差が生まれています。パフォーマンスモードにすると上述したスペック表からさらにクロック数が上がるのではなく、非パフォーマンスモードにすると上述されたクロック数ではなくクロックダウンしたものになり、バッテリーの持ちが良くなります。

 

細かく見ていくと大きく性能差があるのはCPU性能とUX性能で、特にCPU性能には約10,000点の差があります。CPUのクロック数が下がっていることを意味しており、パフォーマンスモードの様なハイパフォーマンスは期待できなくなります。ただ、90,000点は非常に高い水準なので非パフォーマンスモードでも十分使用が可能な上、満足度も高いままでしょう。UX性能はCPUのクロック数が下がったことによってデータ処理や画像処理のスコアが下がっていますが、フラッグシップモデル向けSoCで約55,000点程度なのでそれ程問題はありません。

 

そして、GPU性能に違いはありませんのでゲームをする際に極端にカクついたりすることはなく、更にHuaweiやHonorのスマートフォンにはGPUに高負荷な処理が発生する時にGPUを最適化するGPU Turbo機能がありますので、非パフォーマンスモードでもパフォーマンスモードと同じようにゲームが出来るでしょう。

 

Huawei Honor 9Xにおけるパフォーマンスモードと非パフォーマンスモードの違いはCPUのクロック数で、パフォーマンスモードはハイパフォーマンスを発揮する代わりに省電力性を犠牲にし、非パフォーマンスモードは省電力性を高めるためにハイパフォーマンスの発揮を犠牲にしています。Huawei Kirin 810は非パフォーマンスモードでも十分な性能を持っているので、今現在は非パフォーマンスモードにして年月が経って何かに影響が出るようになればパフォーマンスモードにするといった方法が望ましいのではないかと思います。

 

 

Source