HUAWEIはアメリカ合衆国商務省によるエンティティリスト(Entity List)追加によって様々な所で影響が出ていますが、特に直撃だったのはスマートフォンやタブレットの根幹とも言えるSoCの製造で、2020年後半から新製品発表の速度が大幅に鈍化しました。そんなHUAWEIですが、新SoCとしてKirin 9000Lを近く発表する可能性があると伝えられています。
Kirin 9000LはKirin 9000とKirin 9000Eからいくつか性能が落とされる見込みで、製造プロセスはTSMC 5nm(N5)からSamsung 5nm EUV(5nm LPE)へ、CPUはA77+A77+A55で共通ですが最大周波数は3.13GHzから2.86GHzへ、GPUはMali-G78で共通ですがコア数が変更されKirin 9000はMP24でKirin 9000EはMP22を採用していますがMP18へ減少、NPUはKirin 9000が2xBig+1xTinyでKirin 9000Eが1xBig+1xTinyですが1xBigへ変更されるようです。
HUAWEIは輸出規制によるTSMCでの製造中止を見越してSamsungへ注文していた可能性が高いですが、Samsungも輸出規制を守る必要があるのでKirin 9000Lの数は有限となります。一説によるとKirin 9000とKirin 9000Eは総計で880万個と言われているので、Kirin 9000Lの製造に成功していた場合は余力が生まれます。
Kirin 9000LはHUAWEI nova 9シリーズや、HUAWEI P50に採用される見込みで、P50シリーズは通常版がKirin 9000L、P50 ProがKirin 9000E、P50 Pro+がKirin 9000を搭載すると言われています。