中国のHuaweiは2026年7月14日にマレーシアで新製品発表会を開催し、HUAWEI MatePad Air (2026)を発表しました。そして、同社はHUAWEI MatePad Air (2026)にKirin T93Cを搭載していると明言しましたので、既に展開されているKirin T93 ProとT93と簡単にですが比較をします。なお、公式サイトではHUAWEI MatePad Air (2026)が搭載しているSoCは記載されていません。
| 名称 | T93 Pro | T93 | T93C |
| CPU | 1x TaiShan-Big
4x TaiShan-Middle 4x TaiShan-Little (9 Cores / 14 Threads) (L3 Cache: 12MB) |
1x TaiShan-Big
3x TaiShan-Middle 4x TaiShan-Little (8 Cores / 12 Threads) (L3 Cache: 12MB) |
4x TaiShan-Middle
4x TaiShan-Little (8 Cores / 12 Threads) |
| 識別子 | 72_3334
72_3399 72_3364 |
72_3334
72_3399 72_3364 |
72_3399
72_3364 |
| リビジョン | r2p0
r2p0 r2p0 |
r2p0
r2p0 r2p0 |
r2p0
r2p0 |
| 動作周波数 | 2.75GHz
2.27GHz 1.72GHz |
2.69GHz
2.27GHz 1.72GHz |
2.27GHz
1.72GHz |
| GPU | Maleoon 935 6CU | Maleoon 935A 5CU | Maleoon 935B 4CU |
| 動作周波数 | 933MHz | 933MHz | 933MHz |
| NPU/DSP | Ascend NPU
1x Lite 2x Tiny |
Ascend NPU
1x Lite 2x Tiny |
Ascend NPU |
| カメラ | Kirin ISP 9.0 | Kirin ISP 9.0 | Kirin ISP 9.0 |
| リフレッシュレート | ? | ? | ? |
| エンコード/デコード | ? | ? | ? |
| RAM | LPDDR5X (4266MHz)
(System Level Cache: 12MB) |
LPDDR5X (4266MHz)
(System Level Cache: 12MB) |
LPDDR5X (4266MHz) |
| ストレージ | UFS 4.0 | UFS 4.0 | UFS 4.0 |
| USB | USB 3.1 Gen 1 | USB 3.1 Gen 1 | USB 3.1 Gen 1 |
| Wi-Fi | Wi-Fi 7 (11be) | Wi-Fi 7 (11be) | Wi-Fi 7 (11be) |
| Bluetooth | Bluetooth 6.0 | Bluetooth 6.0 | Bluetooth 5.2 |
| 位置情報 | GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo
(GNSS: L1 / L5) |
GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo
(GNSS: L1 / L5) |
? |
| 通信 | - | - | - |
| 充電規格 | HUAWEI SuperCharge | HUAWEI SuperCharge | HUAWEI SuperCharge |
| 製造プロセス | SMIC 7nm N+3 | SMIC 7nm N+3 | SMIC 7nm N+3 |
| 型番 | ? | ? | ? |
| 公式サイト | - | - | - |
新発表のKirin T93Cの主な仕様は、製造プロセスがSIMC 7nm N+3、CPUが最大2.27GHzで動作するTaiShan-Middleと最大1.72GHzで動作するTaiShan-Littleを4+4構成で採用、GPUは最大933MHzで動作するMaleoon 935B 4CU、RAM規格はLPDDR5X、内蔵ストレージ規格はUFS 4.0、モバイルデータ通信は非対応です。
HUAWEI MatePad Air (2026)が搭載したKirin T93Cを、HUAWEI MatePad Pro Maxが搭載しているKirin T93 ProとT93を比較すると、決定的に異なる点はTaiShan-Bigが削減されている点です。このTaiShan-Bigの存在は高い性能を発揮するという点においても非常に重要ですが、実はKirinの世代を判別するのに必要な存在です。新登場のKirin T93Cはそれが削減されているので、世代の特定が難しくなっています。
TaiShan-Bigは2023年8月に投入したKirin 9000Sで初めて採用されましたが、現在最新のKirin 9030 (Pro含む)に至るまで進化を続けてきた歴史があります。そのため、TaiShan-Bigを見ることで世代を判別できるといった感じです。具体的には、Kirin 9000SのTaiShan-Bigの識別子は72_3330ですが、次に発表されたKirin 9010は72_3331に変化しており、進化していることがわかります。せっかくなのでさらにその次を記載すると、2024年11月に登場したKirin 9020は72_3333で、最新のKirin 9030は72_3334と増加しています。
しかし、HUAWEI MatePad Air (2026)が初搭載するKirin T93CはこのTaiShan-Bigが削減されたので、実質的に「T93」らしさが消えたも同然です。Kirin T93 Proの規格不適合品で同じダイなのでKirin T93Cの名称を採用しているのでしょうが、前述のとおりTaiShan-Bigが削減されているので「T93」に引っ張られ性能に期待するのは禁物です。完全に別物に仕上がっています。
GPUはMaleoon 935B 4CUで、これはKirin T93 ProのMaleoon 935 6CUから純粋に2CU減っただけだと考えています。そのため、Kirin T93のMaleoon 935A 5CUの性能は、Kirin T93 Proの約83.3%で、Kirin T93CのMaleoon 935B 4CUは約66.7%の性能になります。この性能がKirin T92よりも高いのかが気になると思いますが、HuaweiはKirin T93 ProのGPU性能はKirin T92から40%向上したと発表しているので、残念ながらKirin T93CのGPU性能はKirin T92よりも低いです。この点も「T93」に引っ張られないように、といった忠告が効いてきます。
Kirin T93Cを初搭載するHUAWEI MatePad Air (2026)はヨーロッパ市場やマレーシア市場で展開する予定で、ヨーロッパ市場での価格は8GB+256GBモデル (キーボードが付属)が849ユーロ (約158,000円)に設定されています。性能を考慮すると強気の設定ですが、唯一無二のHarmonyOSでKirin T93Cの最適化も完了していると思うので、極端に使い心地が悪いといったことはないと思います。
Huaweiは過去に日本市場で様々な製品を展開していましたが、現在はスマートウォッチやオーディオ機器に縮小しています。そのため、HUAWEI MatePad Air (2026)が展開される可能性は現時点では無いに等しいです。ヨーロッパ市場やマレーシア市場で成長を続けていると可能性はゼロではありませんが、それは数カ月後ではなく数年後だと思うので現在は日本の国外で地道に頑張っていると知っているだけで十分でしょう。


