2019年6月21日に中国で行われたHuawei nova 5シリーズの発表会にて、新プロセッサーとなるHiSilicon Kirin 810を発表しました。Kirin 810はHuawei nova 5に搭載されており、Huawei nova 5 ProはKirin 980、Huawei nova 5iはKirin 710が搭載されています。
初搭載機はHuawei nova 5で、中国市場では7月20日に販売が開始されます。
今回発表されたKirin 810はKirin 8シリーズに該当し、このシリーズは本日を持って新設されます。
HuaweiによるとKirin 7シリーズはミドルレンジモデル向け、Kirin 8シリーズはハイエンドモデル向け、Kirin 9シリーズはフラッグシップモデル向けに開発されているようです。今の所Kirin 7シリーズはKirin 710が最新となっていますが、このシリーズ分けを今後も継続するのであればKirin 710の後継機はKirin 810ではなく別のものになるでしょう。
名称 | Kirin 810 | Kirin 710 | Kirin 659 |
CPU | 2xA76 + 6xA55 | 4xA73 + 4xA53 | 4xA53 + 4xA53 |
クロック数 | 2.27GHz + 1.88GHz | 2.2GHz + 1.7GHz | 2.36GHz + 1.7GHz |
GPU | Mali-G52 MP6 | Mali-G51 MP4 | Mali-T830 MP2 |
クロック数 | 820MHz | 1000MHz | 900MHz |
RAM | LPDDR4 | LPDDR3 | |
LTE Cat | Cat.12/13 | Cat.6 | |
製造プロセス | 7nm FinFET | 12nm FinFET | 16nm FinFET+ |
簡単なスペック表です。CPUに高性能なARM Cortex-A76やCortex-A55を搭載し、GPUも前作から新しくなっています。注意点としてCortex-A76はARMが設計したものをそのまま搭載しているのではなく、Kirin 980と同じくHiSiliconがセミカスタムを加えています。
AI機能に関係するNPUはHuaweiが独自にカスタマイズを行っていると発表しており、カスタムスキンEMUIとの相性は上がっていると思います。更にDSDV(Dual SIM Dual VoLTE)にも対応しているようで、
Huaweiの発表によると仮想敵はQualcomm Snapdragon 730が設定されており、CPU性能やGPU性能などの使用に直結する部分のほか、カメラ性能やAI性能でも上回っているとアピールしています。もしこれが現実であるならばQualcommとしては辛い相手が出現したことになります。