MEIZUとしては初めて18:9のアスペクト比の縦長ディスプレイを搭載した魅藍 S6(Meizu S6/Meizu M6s(以下Meizu M6s))のフルレビューを行います。
外観をメインとしたフォトレビューはこちらの記事をご覧ください。
18:9ディスプレイ
私自身、正直なところ18:9のアスペクト比の縦長ディスプレイには反対派で、後述しますがMEIZUの代表的な機能となるホームボタンを使ってバック操作とホーム操作を共存させることが出来るmBackを廃止してまで得られるものはない思っていました。
いざ使ってみると私の使用範囲ではこの時に便利だ、と言うものは残念ながらありませんでした。
ただ、一番の魅力は同じインチ数のスマートフォンと比較するとグリップ感が全く違い、18:9ディスプレイを使用している方が細長くなるので持ちやすいです。
デメリットとしてはステータスバーがかなり上の方に表示されるので片手の操作では少し辛く、もう片方の手が必要になります。
しかしながら昨今の大画面化の影響で「片手操作で楽々 = スマートフォン」の等式は崩壊しているのですぐに順応できると思います。
ハードウェア
側面に指紋認証センサーを配置したことによって電源ボタンがかなり上へ、ボリュームボタンが左側に配置されました。
今までのMEIZU製スマートフォンは同じ側面に電源ボタンとボリュームボタンが配置され、親指だけでスクリーンショットを撮影出来ましたが、Meizu M6sは別の側面になり親指だけの操作に慣れてしまった私にとっては撮影が非常に面倒です。
更にMeizu M6sは2018年の時代にMicroUSBを採用。
USB Type-C規格が複雑ですので、低価格スマートフォンに搭載すると結果的に中価格になるという懸念もありますがここは頑張って欲しかったところ。
Lightning規格とUSB Type-C規格は表裏が同じになっていて挿入する時にわざわざ確認しなくていいので、MicroUSBを採用することによってユーザーに一手間増やしています。
フルディスプレイ 0.1
MEIZUはMeizu M6sの事をフルディスプレイではなく“フルディスプレイ 0.1”と名付けています。
というのも中国で“フルディスプレイ”を指すものはナビゲーションバーが表示されていないスマートフォンで、Meizu M6sには“Super mBack”というホームキー(Halo Button)のみ配置されているためフルディスプレイではなくフルディスプレイに限りなく近い“フルディスプレイ 0.1”として名付けています。
肝心の“Super mBack”は感圧式センサーがあるので、触れると戻る、押し込むとホーム操作、長く押し込むと画面オフ、上にスワイプするとタスク画面、横にスワイプすると前に使っていたアプリに直接遷移出来ます。
これが意外や意外、便利です。
文章で見るとiPhone Xの様ですが使ってみると全くの別物で、一応バックキーとホームキーとタスクキーの通常のナビゲーションバーに変更することも出来ますが、是非とも“Super mBack”使って馴れて欲しいと思うほどには便利です。
そしてこの操作を覚えると普通のナビゲーションバーの操作を煩わしく覚えていまいます。
SAMSUNG Exynos 5 Series(7872)
Meizu M6sに搭載されているSAMSUNG Exynos 5 Series(7872)はSAMSUNGとしては久しぶり?(初めて?)となるCDMA2000の通信に対応したプロセッサーで、主なスペックは製造プロセスは14nm、CPUはA73x2 + A53x4のヘキサコア構成、GPUはMali-G71 MP1となっています。
今回はAnTuTuベンチマーク Ver.7とGeekbench4、AndroBenchで計測しています。
通信
docomo網を使用しているMVNOでテストしましたが4G LTE+W-CDMAのDSDSに対応、VoLTEに非対応、CA(キャリアアグリゲーション)に非対応となっています。
SAMSUNG製プロセッサーを搭載しているMEIZU製スマートフォンはW-CDMAのBand 6に隠れ対応していることが有りますが、残念ながら非対応でした。
カメラ
1600万画素のSAMSUNG製カメラとSAMSUNG Exynos 5 Series(7872)の画像処理能力を利用して高クオリティの写真が撮影出来るという触れ込みです。
Meizu M6sの販売価格は1万7,000円ということを考えると確かに高クオリティで撮影できていると感じます。
昼間の撮影は完璧ですが、やはり夜の撮影では価格相応のクオリティになってしまいます。
バッテリー
3000mAhを搭載していますが意外と減るのが速いです。
この辺はファームウェアの調整で減るスピードをコントロールできると思いますので、現状は速いという報告になります。
指紋認証
MEIZUとしては初めて筐体の側面に指紋認証センサーが配置されました。
SONY XperiaやNextbit Robin、Razer Phoneの様な電源ボタン兼指紋認証センサーではなく、指紋認証センサーとして独立しております。
センサーなので押し込む必要はなく、触れるだけでロック解除が出来るのは便利。
ただちょっと位置が高く、指を少し伸ばして触れる位置になっているので、もう少し下に配置されていれば完璧だったと思います。
総括
全体的な満足度は高いものの使っていくと“惜しい部分”が見えてきます。
電源ボタンの位置、指紋認証センサーの位置、MicroUSB・・・。
特許の関係で指紋認証センサーと電源ボタンをひとつに出来なかったのでしょうが、もう少し工夫は凝らせたのではないでしょうか。
Meizu M6sはミドルレンジに位置するモデルで購入を考えている人はよく理解していると考えたのでパフォーマンスについて多く触れませんでしたが、ゲームをすると考えているのであれば間違いなくやめたほうが良いです。
昨今のゲームはオンライン接続が必須で、更に友人との協力プレイが不可欠になっており、そういう時にカクツキを起こしているようであれば迷惑をかける事になります。
とは言えSAMSUNG Exynos 5 Series(7872)の魅力、パフォーマンスは確かなものなので低価格なExynos搭載機がほしい、という方にはおすすめできます。
ただ、Xiaomi製スマートフォンの様に簡単にブートローダーアンロックが出来ず、AndroidをベースとしたカスタムUI「Flyme OS」を使い続けることになるのでソフトウェアの面で合う合わないは出てくると思います。
ちょっと覚悟のいるスマートフォンですが、価格も安いのでおすすめです。