Samsung Galaxy S21sが初搭載したSamsung Exynos 850のベンチマークスコアが明らかになりましたので、多くのSamsungのミドルレンジ製品に搭載されているExynos 9611、競合他社製品となるMediaTek Helio G35とHelio G25、Qualcomm Snapdragon 439と簡単に比較します。今回の比較はAnTuTu Benchmark v8とGeekbench v5のスコアを用いて行ってますので、バッテリーの持ちや通信の安定性などは考慮していないことを注意してください。
Samsung Exynos 850のスペックは8nm FinFET製造プロセス、CPUは4xARM Cortex-A55+4xARM Cortex-A55のオクタコア構成で周波数は2.0GHz+2.0GHz、GPUはARM Mali-G52 MP1 @1001MHzとなっています。CPUはARM Cortex-A55のみの珍しい構成ですが、実は初採用ではなく中国のUnisoc製SC9863Aが初採用しています。GPUはエントリーモデル向けということで1コアとなっていますが周波数は1001MHzと非常に高く、これはSamsung Exynos製品における法則となっており、少ないGPUのコア数の場合は周波数が高く設定されています。
AnTuTu Benchmark v8におけるExynos 850のスコアはCPU性能が47,319点、GPU性能が20,564点、MEM性能が35,627点、UX性能が21,661点で総合性能は125,171点という結果になりました。Exynos 850はGalaxy Tab S6 LiteやGalaxy M31s、Galaxy A51が搭載しているExynos 9611のちょうど下の位置にいる製品となっており、性能差がわかりやすいので上手な製品展開ができていると感じています。
Helio G35とHelio G25と比較するとCPU性能とGPU性能ともに上回っていますのでExynos 850搭載機のほうが快適な利用ができると考えており、Snapdragon 439と比較してもCPU性能とGPU性能ともに上回っていますので、こちらもExynos 850搭載機のほうが快適な利用ができるでしょう。
Geekbench v5におけるExynos 850のスコアはシングルコア性能が183点、マルチコア性能は1,054点となっています。Helio G35は2.3GHzのA53を採用していますが、2.0GHzのA55を採用しているExynos 850の方が数値が良いのは、ARMの開発が上手に行われていることを意味します。Exynos 9611は高性能なA73を採用していますので、シングルコア性能とマルチコア性能ともにExynos 9611が優位に立っています。