Qualcommが発表したSnapdragon 865 Plus 5GとSnapdragon 865 5G、nubia Red Magic 5Sに搭載されているGPU Boost機能が有効化されたSnapdragon 865 5G、Tencent Black Shark 3Sに搭載されているGPU Boostが有効になったSnapdragon 865 5GをAnTuTu Benchmark v8の結果を用いて簡単に比較を行います。
Snapdragon 865 Plus 5GはSnapdragon 865 5GのCPUとGPUの周波数を上昇させたモデルですが大きな違いがあり、それはサブシステムとしてQualcomm FastConnect 6900を搭載したことです。これによりアンライセンスドバンド(免許不要周波数帯)の6GHz帯を使用するWi-Fi 6Eに対応、Bluetooth 5.2に対応といったSnapdragon 865 Plusだけが持っている機能もありますので、Snapdragon 865 5GがGPU Boostを行えばSnapdragon 865 Plus 5Gの全ての機能を上回るというわけではありません。
Snapdragon 865 Plus 5GのスコアはCPU性能が181,942点、GPU性能は235,365点、MEM性能が99,697点、UX性能が104,791点で総合性能が621,795点。Snapdragon 865 5G(905MHz)のスコアはCPU性能が181,388点、GPU性能が257,338点、MEM性能が96,656点、UX性能が93,090点で総合性能が626,351点。Snapdragon 865 5G(670MHz)のスコアはCPU性能は186,547点、GPU性能が235,549点、MEM性能が96,656点、UX性能が99,092点で総合性能が617,844点。Snapdragon 865 5GのスコアはCPU性能が185,654点、GPU性能が220,904点、MEM性能が105,941点、UX性能が95,542点で総合性能が608,049点という結果になりました。
総合性能で比較するとSnapdragon 865 5G(905MHz)>Snapdragon 865 Plus 5G>Snapdragon 865 5G(670MHz)>Snapdragon 865 5Gとなりますが、AnTuTu Benchmark v8ではRAM容量や内蔵ストレージ容量によってMEM性能が、リフレッシュレートによってUX性能が変動するようになっていますので、CPU性能とGPU性能を合算させたCPU+GPU性能を算出するとSnapdragon 865 Plus 5Gは417,307点、Snapdragon 865 5G(905MHz)は438,726点、Snapdragon 865 5G(670MHz)は422,096点、Snapdragon 865 5Gは406,558点となり、Snapdragon 865 5G(905MHz)が圧倒的な性能を有していることがわかります。
nubia Red Magic 5SとTencent Black Shark 3Sに搭載しているSnapdragon 865 5Gは“オーバークロック”していますので、OPPO Find X2 ProやMeizu 17 Proが搭載しているSnapdragon 865 5Gと比較してバッテリーの持ちはいくつか悪くなります。更にこのGPU Boost機能は現時点において必要性があまりない機能となりますので、ベンチマークスコアを見て満足する以外の方法はないように感じます。そのため、GPU Boost機能を有しているから買う、GPU Boost機能を有していないから買わないといった選択は見識が狭いと考えています。なのでSoCの性能だけではなくカメラの性能、オーディオの性能、通信の性能、ディスプレイの性能など様々な部分を複合して考えてから購入するほうがいいと思います。