Qualcomm Snapdragon 665を初搭載したXiaomi Mi CC9eが7月2日に発表され、主要なベンチマークソフトにおけるAnTuTuベンチマークやGeekbenchの結果が公開されました。
Xiaomi Mi CCシリーズには他のモデルが存在しており、Xiaomi Mi CC9とXiaomi Mi CC9 meitu EditionがSnapdragon 710を搭載しています。Xiaomi Mi CC9eは廉価モデルの立ち位置になります。
Snapdragon 660(up)の記述はSnapdragon 660に高クロックモデルと低クロックモデルが存在しているためで、(up)には高クロックの意味を持たせています。Snapdragon 665はSnapdragon 660(up)と比較するとCPU部分では同じ構成を採用していますがbigコアが0.2GHzクロックダウン、GPU部分は高性能なAdreno 600シリーズが搭載されています。GPUクロック数が“?”になっているのは記事執筆時にカーネルソースが公開されていないので数値が判明していません。後日判明したら追加した表に差し替える予定です。
Qualcommによる急速充電規格QC(Quick Charge)は何故か後継機として開発されているSnapdragon 665には規格が古いものが採用されています。製造プロセスは14nm FinFETから11nm FinFETへ微細化し、高性能化や省電力性に期待がかかります。
Snapdragon 665はSnapdragon 660(up)から約2,000点上回り、後継機としての面目を保つことに成功しました。ただ、細かいところを見ていくとCPU性能はクロック数が下がっていることが原因となってSnapdragon 660(up)よりも低く、更にカスタムスキンを左右しない実使用感を計測するUX性能でもCPU性能が足を引っ張ったのかわずかですがスコアが低いです。
GPU性能はAdreno 600シリーズを搭載したことで上回り、Snapdragon 660(up)では31,000点を出すことは非常に稀なのでしっかりとシリーズの分類ができています。この他MEM性能はXiaomi Mi CC9eがUFS 2.1を採用しているのでスコアが大きく伸びています。
実はSnapdragon 665はQualcommが発表した直後にAnTuTuがプロトタイプモデル(QRD/Qualcomm Reference Design)における性能も公開していましたので、それとも比較してみます。MはMass production(量産)、PはPrototype(試作機)の意味です。
スコアが20,000点近く上昇していることがわかります。大きな違いとしてCPU性能、UX性能、MEM性能が上昇しています。CPU性能が上昇したのはプロトタイプモデル環境でCPUの動きが制限されていた可能性は考えられないので、Xiaomiが“最適化”を行った可能性があります。この最適化はベンチマークブーストではなく全てのコアが正しく可動するように調整を行っていると考えています。
CPU性能を計測するのに長けているGeekbenchでは、シングルコア性能とマルチコア性能共にSnapdragon 660(up)よりも低い性能であることが判明しました。スペック表で記した通り、bigコアが0.2GHzクロックダウンしているのでこの様な結果になっています。
似た性能になっているHelio P60でもカクツキを覚えることは稀なので、それ程大きな心配はいらないと思います。
「後継機」としてみるとCPU性能やGPU性能はいまいちかもしれませんが、Snapdragon 665はAnTuTuベンチマークに関係しない部分がスペックアップしており、特にDSPとISPが変更されています。この2つはAI機能を強化しているのでカメラ撮影や通常利用における最適化に対して力を発揮します。昨今はいかに綺麗な写真が撮影できるのかが重要視されていますので、ニーズに合った製品であることは間違いありません。
更にSnapdragon 660レベルでもフラッグシップモデルと同等まではいきませんが満足の行く使用は可能なので、今回はXiaomi Mi CC9eのみですが好きな企業、好きなデザイン、求めていたカメラ性能が搭載された機種があるのであれば充分購入に値すると思います。