中国のUNISOC (紫光展鋭)は2024年7月2日、新製品としてT620を発表しました。この新製品は5G NRに非対応で4G LTEに対応しており、現在の基準から考えるとそれほど高くない性能となっています。
名称 | T620 | T619 | T618 |
CPU | 2x Cortex-A75
6x Cortex-A55 |
2x Cortex-A75
6x Cortex-A55 |
2x Cortex-A75
6x Cortex-A55 |
動作周波数 | 2.21GHz
1.82GHz |
2.21GHz
1.82GHz |
2.00GHz
2.00GHz |
GPU | Mali-G57 MP1 | Mali-G57 MP1 | Mali-G52 MP2 |
動作周波数 | 850MHz | 850MHz | 850MHz |
NPU/DSP | - | - | - |
カメラ | 1億800万画素 or 4800万画素(ZSL) or 2x1600万画素 or 1600万画素+1600万画素+800万画素 | 1億800万画素 or 4800万画素(ZSL) or 2x1600万画素 | 6400万画素 |
リフレッシュレート | 90Hz (FHD+)
120Hz (HD+) |
60Hz (FHD+)
90Hz (HD+) |
60Hz (FHD+) |
エンコード/デコード | Encode: 1080p@60fps
Decode: 1080p@60fps |
Encode: 1080p@60fps
Decode: 1080p@60fps |
Encode: 1080p@60fps H.265, H.264
Decode: 1080p@60fps H.265, H.264, VP9, VP8, MPEG-4 |
RAM | LPDDR4X (1866MHz) | LPDDR4X (1866MHz) | LPDDR4X (1866MHz)
LPDDR3 (933MHz) |
ストレージ | UFS 2.2
eMMC 5.1 |
UFS 2.2
eMMC 5.1 |
eMMC 5.1 |
Wi-Fi | Wi-Fi 5 (11ac) | Wi-Fi 5 (11ac) | Wi-Fi 5 (11ac) |
Bluetooth | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 |
位置情報 | GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo | GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo | GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo |
通信 | 統合: 4G Modem
LTE Cat.7/13 (DL: 300Mbps / UL: 150Mbps) |
統合: 4G Modem
LTE Cat.7/13 (DL: 300Mbps / UL: 150Mbps) |
統合: 4G Modem
LTE Cat.7 (DL: 300Mbps / UL: 100Mbps) |
充電規格 | - | - | - |
製造プロセス | TSMC 12nm 12FFC | TSMC 12nm 12FFC | TSMC 12nm 12FFC |
型番 | ums9230 | ums9230 | ums512 |
新製品のT620の主な仕様は、製造プロセスがTSMC 12nmプロセスに基づく12FFC、CPUが最大2.21GHzで動作するCortex-A75を2基と最大1.82GHzで動作するCortex-A55を6基の2+6構成、GPUは最大850MHzで動作するMali-G57 MP1、RAM規格はLPDDR4X、内蔵ストレージ規格はUFS 2.2、モバイルデータ通信は4G LTEに対応します。
今回のT620は以前に発表したT619とほぼ同じ仕様で、UNISOCが公開した資料によって目に見えてわかる違いとしては、トリプルカメラ構成の対応やFHD+環境下における高リフレッシュレートの対応、Bluetoothの規格をより新しいものにしたと少ないです。
こういった違いしかないため、わざわざT620を搭載した製品ではなくT619を搭載した製品を購入すればいいです。と言いたいのですが、このT619は失敗作だったのか初搭載した製品のHOTWAV Cyber 13 Proが正しい性能を発揮できず、さらにその後は搭載した製品が登場せず、なぜか他の企業も採用を見送る決断に至っています。そして、しまいにはUNISOCが公式サイトから製品ページを削除しており、同社としてはなかった製品にしたい思いが見えます。
そのため、悪夢のT619の悪いところを修正したに過ぎないT620の完成度には疑いの目があります。しかし、T620が本当の性能を発揮することに成功できれば、SNSや動画視聴といった比較的軽い動作であれば問題のない使用ができると考えています。
今回発表されたT620は8月11日時点でTeclast T50 Plusが初搭載しており、日本のAmazonをはじめとするさまざまなプラットフォームで販売されています。
価格は28,900円 (税込)と求めやすい価格に設定されています。しかし、気をつけるべき点としてTeclastはT620がCPUに「Cortex-A76」を搭載しているとアピールしていますが、実際には1世代前の「Cortex-A75」を搭載しているため、誤った宣伝が行われていることに関しては注意してください。