UNISOC T619が発表、最大2.21GHzのCortex-A75を採用したミドルレンジ向けSoC

UNISOC T619が発表、最大2.21GHzのCortex-A75を採用したミドルレンジ向けSoC

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中国のUNISOC (紫光展鋭)は2023年8月16日、新SoCとしてUNISOC T619を静かに発表しました。こちらはUNISOC 6シリーズに属する製品で、5Gに非対応で4G対応となっています。

 

名称 T619 T618 T616
CPU 2x Cortex-A75

6x Cortex-A55

2x Cortex-A75

6x Cortex-A55

2x Cortex-A75

6x Cortex-A55

動作周波数 2.21GHz + 1.82GHz 2.00GHz + 2.00GHz 1.95GHz + 1.82GHz
GPU Mali-G57 MP1 Mali-G52 MP2 Mali-G57 MP1
動作周波数 850MHz 850MHz 750MHz
NPU/DSP - ? -
カメラ 1億800万画素 or 4800万画素 (ZSL) or 2x1600万画素 6400万画素 1億800万画素 or 3200万画素 (ZSL) or 2x1600万画素
リフレッシュレート 60Hz (FHD+)

120Hz (HD+)

? 60Hz (FHD+)

90Hz (HD+)

エンコード/デコード Encode: 1080p@60fps

Decode: 1080p@60fps

Encode: 1080p@60fps H.265, H.264

Decode: 1080p@60fps H.265, H.264, VP9, VP8, MPEG-4

Encode: 1080p@60fps

Decode: 1080p@60fps

RAM LPDDR4X (1866MHz) LPDDR4X (1866MHz)

LPDDR3 (933MHz)

LPDDR4X (1866MHz)
ストレージ UFS 2.2

eMMC 5.1

eMMC 5.1 UFS 2.1

eMMC 5.1

Wi-Fi Wi-Fi 5 (11ac) Wi-Fi 5 (11ac) Wi-Fi 5 (11ac)
Bluetooth Bluetooth 5.0 Bluetooth 5.0 Bluetooth 5.0
位置情報 GPS, GLONASS, BeiDou (北斗), Galileo GPS, GLONASS, BeiDou (北斗), Galileo GPS, GLONASS, BeiDou (北斗), Galileo
通信 LTE Cat.7/13

(DL: 300Mbps/UL: 150Mbps)

LTE Cat.7

(DL: 300Mbps/UL: 100Mbps)

LTE Cat.7

(DL: 300Mbps/UL: 100Mbps)

充電規格 - - -
製造プロセス TSMC 12nm 12FFC TSMC 12nm 12FFC TSMC 12nm 12FFC
型番 ums9230 ums512 ums9230

UNISOC T619の主なスペックは、製造プロセスはTSMC 12nm 12FFC、CPUは最大2.21GHzで動作するCortex-A75を2基、最大1.82GHzのCortex-A55を6基の2+6構成、GPUは最大850MHzのMali-G57 MP1、RAM規格はLPDDR4X、内蔵ストレージ規格はUFS 2.2、5G通信に非対応で4G通信に対応、この他の通信としてWi-Fi 5、Bluetooth 5.0をサポートします。

 

UNISOC T619はT618の後継製品と考えてしまう可能性があるので先に言うと、実際にはT616の後継製品です。UNISOCの製品の名称はCPUの性能を優先している傾向にあり、スペック表を見るとその傾向がつかめるかと思います。

 

CPUはCortex-A75を2基とCortex-A55を6基の2+6構成で、クロック数はそれぞれ最大2.21GHzと最大1.82GHzに設定されています。T618と比較すると、同じCPUを採用し同じ2+6構成ですが、Cortex-A75が最大2.00GHzと最大2.21GHzでT619の方が数値が高いです。また、従来製品のT616と比較すると、最大1.95GHzから最大2.21GHzに上昇していますので、確実に性能が向上するでしょう。

 

GPUはMali-G57 MP1で、T618はMali-G52 MP2となっています。Mali-G52は2018年3月に、Mali-G57は2019年10月に発表されており、ArmはMali-G57はMali-G52の1.3倍の性能を発揮すると発表しています。そのため、Mali-G57 MP1とMali-G52 MP2では後者のほうが優位に立つので、T619よりもT618のほうが高い性能を発揮するでしょう。

 

ISPは特別に何かを変更したとの発表はありませんが、ゼロシャッターラグ (ZSL)環境においてはT616は最大3200万画素ですが、T619は最大4800万画素まで対応するようになりました。昨今では優れた写真や動画を撮影することが非常に大事なので、T619はT618やT616よりも優れた写真を撮影できるでしょう。

 

そして、リフレッシュレートはFHD+環境では60Hzで共通ですが、HD+環境では120Hzまで対応するようになりました。低価格な製品ではFHD+ではなくHD+のディスプレイを採用することが多いと思うので、90Hzから120Hzへ数値が高くなったのは素晴らしいです。

 

UNISOC T619を初搭載した製品はすでに発表されており、HOTWAV Cyber 13 Proです。この製品はタフネスと呼ばれる分類に属し、過酷な環境でも使用できる高い耐久性が魅力です。

 

HOTWAV Cyber 13 Proの主なスペックは、Android 13、60Hz 6.6インチ FHD+(2408x1080) TFT液晶、UNISOC T619、RAM容量は12GB、内蔵ストレージ容量は256GB、外部ストレージ対応、背面のカメラは6400万画素 (メイン)+800万画素 (サブ)+?万画素 (補助)、前面のカメラは1600万画素、バッテリー容量は10800mAh、重量は不明です。

 

価格は269.99米ドル (約39,500円)に設定されており、UNISOCの製品を搭載したものとしてはやや高めかなと感じますが、筐体の仕様を鑑みると妥当な価格かもしれません。

 

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